ご記憶の方も多いかもしれませんが、今から3年前の2015年2月、阪急電鉄十三駅の「阪急そば若菜」で、かけそばにポテトを投入する「ポテそば」という斬新すぎるメニューが登場し、大きな話題となりました。
実はこのポテそば、そのときに単発で出された特別メニューではなく、通常のメニューとして現在に至っています。
気が付けばすっかり定着した感もある十三駅のポテそば。今回はその世界をご紹介したいと思います。
2015年2月、十三駅にポテそばが誕生して3年
駅そばにフライドポテトを入れたポテそば、そんなメニューが阪急電鉄の十三駅にある駅そば店に誕生したのが2015年2月。それから3年の月日が経とうとしています。
当時はあまりの斬新さにメディア等でも取り上げられることの多かったポテそばですが、最近はあまり見かけなくなりました。期間限定メニューだった? いいえ、そうではありません。実はこの食べ物、一時の流行どころか今やすっかり市民権を得たようなのです。
店内のメニューでポテそばを発見
ポテそばのある阪急そば若菜は、十三駅のホーム(2・3号線)にあります。阪急そばというと立ち食いのイメージがある方も多いかもしれませんが、こちらのお店は椅子で座って食べるお店です(2014年10月に着席スタイルにリニューアルしたそうです)。こちらの店舗は駅そばのお店としては広いという印象を受けます。
筆者はお店の外にある看板でポテそばの存在が確認できず、やはり特別メニューだったのか?とパッと見では思ってしまいました。しかし店内のメニューにポテそばが掲載されていて、ほっと一安心。お値段は380円(税込み)です。
熱々のポテトに阪急そばの出汁が染み込み「ウマイ!」
ポテそばは、そばとポテトが別々に出されます。ポテトは熱々の状態で提供されますので、それ単体で食べてももちろんおいしいのですが、この熱々のポテトはやはり、食べる際にドバーッ!とそばの中に投入したいところです。
そもそもポテトを水分に浸すと口の中がモサモサして美味しくないのでは?と考えてしまう方もいらっしゃると思いますが、さにあらず。熱々のポテトにそばの出汁が染み込むと、想像以上においしいのです。筆者は、阪急そばは関西の駅そばの中でも出汁が効いた独特の味わいだと思っていますが、この出汁と熱々のポテトがこんなにも相性がよいのかと驚いてしまいました。
また、ポテトを投入すると出汁にコクが出るので、上品なおそばの味に加え、ちょっぴり下町的な味わいも楽しむこともできます。
一方で、駅構内にあるそば屋ですから、ササっと食べて席を立つのがお作法といえますが、ポテそばは熱々ポテトに出汁がしみこみすぎない時間で食べきるほうがおいしいとも感じました。そういう意味でも、まさに駅そばにピッタリのメニューといえそうです。
もしかすると酒の肴に合うかもしれません。筆者は次回、夜に行ってビールも頼んでみようと思ったのでした。
すっかり根付いていたポテそば
筆者が十三駅の駅そば若菜でポテそばを食したのは平日の昼間、ひっきりなしにお客さんが入れ替わる時間帯です。ポテそばをウマイウマイと食べつつも、もう1つ驚いたのは、ポテそばを注文する人の数です。
筆者が店内にいた約15分ほどの時間で、筆者を含め3人がポテそばを注文。変わった食べ物を探しているマニアやインスタ映えを狙っているという風情でもなく、ごく普通のサラリーマンやご老人が迷うことなく注文している姿には驚きました。
中にはポテそばに加え、天ぷらも別途トッピングで注文している方も。話題として取り上げられることの少なくなったポテそばですが、定番商品として定着したから、という面が少なからずあるのかもしれません。
まとめ
いわゆる駅そばには、それぞれ独自の文化があります。ポテそばは、上品なイメージのある阪急電鉄としては少々「らしくない」メニューなのかもしれませんが、味はさすがで定番として根づいたのも頷けました。
十三駅は神戸線・宝塚線・京都線が接続する阪急電鉄有数のターミナル駅ですが、乗り換える機会がなければ降りない駅という人も多いかもしれません。もしかするとまだ駅そばを食べたことがない方もいるのではないでしょうか?
もし小腹のすく時間帯に乗り換え等で十三駅を利用する機会があるようでしたら、一度、若菜のポテそばをお試しください。話のネタにもなりますし、何より駅そばの新しい世界にも触れることができますよ。
石井 僚一