1.1 国民健康保険料の仕組み

国民健康保険料は、次の3つを合計して計算します。

  • 医療給付費分(国民健康保険の給付に充当)
  • 後期高齢者支援金分(後期高齢者医療保険制度への支援金)
  • 介護納付金(介護保険の給付に充当)

2023年度の各上限額は次の通りです。

  • 医療給付費分:65万円
  • 後期高齢者支援金分:22万円
  • 介護納付金:17万円

合計すると104万円ですが、2024年は後期高齢者支援金分の上限が2万円引き上げられるため、2024年度の国民健康保険料の上限額は106万円となります。

後期高齢者支援金分については、2年連続での上限額引き上げです。

1.2 国民健康保険料の上限額がアップする理由

上限額がアップするのは、医療費給付が増加し保険料を引き上げる必要があるからです。

保険料を引き上げるには、保険料率を上げる方法と上限額を引き上げる方法があります。

上限額の影響を受けるのは高所得者に限定されますが、保険料率を引き上げるとそれ以外の人の保険料がアップします。

そのため、上限額を引き上げて高所得者にも一定の負担をしてもらい、保険料率の引き上げを抑制します。

1.3 国民健康保険料は今後もアップする可能性

国民年金加入者の給付や後期高齢者医療保険制度の給付、介護給付の増加に伴い、上限額は毎年のようにアップしています(【図表1】参照)。

医療給付や介護給付は今後とも増加が予想されるため、大幅な制度改正や給付の抑制策がなければ、これからも上限額の引き上げが続くと予想されます。