米政府の混乱や円高傾向にもかかわらず高値圏で推移
2018年1月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より44円69銭高の23,808円06銭となりました。
先週は、18日に前場の寄り付きで2万4000円台を回復しました。2万4000円を上回るのは1991年11月以来約26年2か月ぶりです。ただし、上値では利益確定の売りも出て、同日の午前の終値は23,978円でした。後場寄り付きでも再び2万4000円台に上昇したものの、大引けでは23,763円まで売られました。
ザラバながら2万4000円台を回復した背景には、世界的な株高があります。米国をはじめ、新興国でも株式指数が伸びています。日経平均も連れ高となっていますが、短期間で急騰していることから高値警戒感もあり、節目となる2万4000円付近では利益確定売りも出やすくなっています。
さらに、為替相場で円高傾向であることから、神経質な動きになっています。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。引き続き米株の動きに影響を受けそうです。19日は米連邦予算の期限が切れることから、取引時間中は政府機関の一部閉鎖リスクが意識され、上値の重い展開となりました。
それでもダウ工業株30種平均は前日比53ドル91セント高の26,071ドル72セントで取引を終えています。4日に2万5000ドルを突破してからわずか8営業日の17日の終値で史上初の2万6000ドルを突破しています。
この勢いがどこまで続くのか。中長期的には目線は上に持ちたいところです。ただし、目先は上昇一服の調整もあるかもしれません。
日本では来週から、主要な3月期決算企業が2017年4~12月期決算発表のシーズンに入ります。世界の景気が好調なことから、どれだけ上方修正が広がるのか期待されるところです。
一方、19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比25銭円高・ドル安の1ドル=110円80~90銭で取引を終えています。このまま円高傾向が続くようであれば、決算に影響を与えることになるため注意が必要です。
高値圏での神経質な動きながら、5日移動平均線付近でサポートされる
先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週9日にザラバで23,952円と、2万4000円まであとわずかというところまで迫りながら、10日~12日は売りに押されました。
そのまま2万4000円が抵抗線となるかとも思われましたが、16日にはザラバで23,962円と、9日の高値を更新。終値も23,951円となり、長い陽線となりました。さらに18日は窓をあけて24,078円で寄り付きました。けっきょく陰線となりましたが、終値ベースでの下落幅はわずかです。
いずれも、ローソク足の実体が5日移動平均線付近でサポートされている点にも堅さを感じさせます。
2万4000円台定着なら、さらなる上昇へ視界が広がる
今週の動きはどうなるでしょうか。急騰が続いていることから、25日移動平均線からの乖離率、騰落レシオ、RSIなどのオシレーター系の指標は過熱感を示しています。ただし、相場が強い上昇トレンドの場合は、数値が一方向に張り付いたままになりがちです。まだ反落の判断をする時機ではないでしょう。
直近の下値めどとしては、前週~先週の安値の23,550円付近、25日移動平均線の23,250円付近になります。さらにこのあたりを下回ったとしても、長期間にわたり上値抵抗線となっていた23,000円を割り込むあたりまでは押し目買いの好機と見ていいでしょう。
逆に上値めどとしては、目先の節目となる24,000円を超えると、1991年10月31日の25,222円、同3月18日の27,146円ぐらいしか目立った節がありません(いずれも終値ベース)。視界が広がっており、先高感があります。一段上のステージでの定着に期待がかかります。
下原 一晃