いよいよ新NISAスタートまで約半月となりました。

現行のNISA制度が拡充される「新NISA」。

非課税保有限度枠(総枠)は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)、非課税保有期間は無期限となり、生涯にわたる長期的な資産形成がしやすくなるでしょう。

一方で、制度が拡充されたからこそ初心者が注意したい部分もあります。

今回は新NISAを利用した積立投資のシミュレーションを確認した後、初心者の方が注意したいポイントを確認していきましょう。

新NISAの積立投資シミュレーション「25年間」でいくらになる?

老後資金を新NISAで準備しようと思うとき、毎月一定額を積み立てる積立投資を検討される方も多いでしょう。

現行のNISA制度では「つみたてNISA」で積立投資をおこないますが、新NISAでは「つみたて投資枠」となり、年間投資枠が40万円から120万円へと拡充されます。

では、たとえば25年間積立投資をした場合いくらになるのでしょうか。金融庁「資産運用シミュレーション」をもとに試算をおこないます。

【25年間の積立投資シミュレーション】月3万円で年利1・3・6%

  • 年利1%:約1022万円(元本900万円・利益約122万円)
  • 年利3%:約1338万円(元本900万円・利益約438万円)
  • 年利6%:約2079万円(元本900万円・利益約1179万円)

【25年間の積立投資シミュレーション】月5万円で年利1・3・6%

  • 年利1%:約1703万円(元本1500万円・利益203万円)
  • 年利3%:約2230万円(元本1500万円・利益730万円)
  • 年利6%:約3465万円(元本1500万円・利益1965万円)

25年間の積立投資では、月3万円なら年利6%で約2000万円、月5万円なら年利3%で2000万円超となりました。

実際には投資ですから損をする可能性もありますし、運用成果は後でなければわかりませんが、シミュレーションをおこなうことで運用をイメージしやすくなるでしょう。

「月5万円・年利3%・25年間」のシミュレーションについて、年数ごとの金額もグラフで確認しましょう。

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出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

一定金額の積み立てをおこなうことで、利息に利息がつく複利の効果を得ることも可能です。

年数を経るごとに金額が増えているがわかるでしょう。

新NISA「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のポイントは?

それでは、新NISA制度を改めて振り返りましょう。

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出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限額:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限額:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:投資信託やETF

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

新NISA制度は年間投資枠が成長投資枠で240万円、つみたて投資枠で120万円、あわせて360万円まで拡充されます。

口座開設期間も恒久化され、総枠も1800万円となるため、誰でも利用しやすく長期的な資産形成が可能となります。

通常、利益に対して約2割かかる税金が非課税になる制度ですから、初心者の方でも利用がしやすいでしょう。

新NISA「初心者が注意したいこと4つ」を元証券会社社員が解説

初心者でも利用しやすい新NISA制度ですが、制度が拡充されたからこそ注意したいポイントがあります。

長期間運用したいと思える投資対象を選ぶ

金融庁は資産や地域を分散した長期間積立投資を続けることで、結果的に元本割れする可能性が低くなる傾向があるものの、途中で売却したり積み立てをやめるとこういった効果が弱くなるとしています。

リスクを抑えながら運用するためにも長期間運用したほうがよいですが、10年、20年、30年と経てば世界情勢も変化するもの。

つい他の金融商品に変えたいと思ってしまう場面が度々出てくることも考えられます。

非課税期間が無期限になり、長期的な運用が可能になるからこそ、世界情勢が変わって長期的に運用したいと思える投資先を慎重に検討しましょう。

毎月の積立金額を無理しない額に設定する

つみたてNISAの年間投資枠は40万円ですから、毎月に換算して約3万3000円の積み立てが目安となっていました。

出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

 

 

しかし新NISAでは年120万円となるため、毎月に換算すると10万円の積立投資が可能となります。

月10万円の積立投資が多いか、少ないかは各ご家庭の環境により異なりますが、一般的には他に預貯金もするとなると多いと捉えるご家庭が多いでしょう。

月の積立金額が大きくなり、自由度が増したことはよいことですが、家庭によってとれるリスクは異なるもの。

無理をした金額で積み立てをしても後々苦しくなったり、早くに売却が必要になったりといった可能性が出てくる場合も考えられます。

「わが家が長期的に毎月積立できる投資額はいくらか」を慎重に検討しましょう。

大きく値下がりしたときの対応を考える

はじめての投資ほど「損したくない」「少しでも多く儲けたい」といった気持ちが大きくなるものです。

特に大きく値下がりした場合には、焦りからすぐに売却したくなるものでしょう。

これまでもリーマンショックやコロナショックなどがあったように、長い年月の中では株価が大暴落する局面が起こることも十分考えられます。

そういった場合でも焦ってすぐに売ったりしないよう、予めご家庭の対応を考えておくことが大切です。

売却タイミングを考える

つみたてNISAの非課税期間は20年間となっており、非課税期間内に売却するか、そのまま課税口座に払い出されて運用を継続するかになります。

20年という非課税期間があることで一旦は売却について検討する機会もありますが、新NISAでは非課税期間が無期限となります。

非課税期間が定められていないと、いつ売却をするかについて考えにくいところもあるでしょう。

場合によっては少しでも利益を出したいからと、売却のタイミングをなかなか掴めず悩むといったケースも考えられます。

積み立てた金額はすべて一度で売却する必要はなく、複数回にわけて自分のタイミングで売却できます。

一般的な売却のタイミングとしては、教育費や老後資金などで資金が必要になったタイミングなどが考えられますので、売却の目安も前もって考えておくといいでしょう。

もちろん、人生100年時代の現代においては老後も運用を続けるのも一つです。

新NISA開始に向けて資産形成を考えよう

新NISA制度が拡充されることで年間投資枠が増え、また成長投資枠とつみたて投資枠が併用できるようにもなり、NISAを利用した運用の自由度が上がります。

だからこそ「自分や家庭に合った運用」について慎重に検討し、運用をはじめることが大切でしょう。

まずは情報収集からはじめてみてくださいね。

参考資料