「大企業・中小企業」社員の貯蓄額の内訳

前章では、企業規模別に平均貯蓄額を見ていきましたが、貯蓄の内訳には企業別で違いが生じるのでしょうか。

総務省の「2022年家計調査 貯蓄・負債編ー二人以上世帯ー」によると、世帯主の勤め先企業規模別の1世帯当たりの貯蓄の内訳は以下の【図表2】となりました。

上記グラフをみると、どの内訳も大企業が最も多くなっています。

また、企業規模別に見た際に、小企業・中企業・大企業全ての社員が、貯蓄の大部分を「預貯金」として管理していることがわかります。

中企業や大企業においては、生命保険や有価証券といった預貯金以外の資産を保有している割合も増加傾向にあります。

「大企業・中小企業」社員の平均年収はいくらか

前章では、中小企業と比較して大企業で働いている社員のほうが貯蓄額が高い傾向にあることがわかりました。

中小企業よりも大企業のほうが貯蓄額が高い背景として「年収の違い」が要因の1つとして考えられます。

総務省の「2022年家計調査 貯蓄・負債編ー二人以上世帯ー」によると、世帯主の勤め先企業規模別の平均年収額は以下の【図表3】となりました。

  • 全世帯平均年間収入:768万円
  • 1~9人   :619万円
  • 10~29人  :656万円
  • 30~99人  :654万円
  • 100~299人:726万円
  • 300~499人:789万円
  • 500~999人:810万円
  • 1000人以上 :905万円

上記調査の全体の平均年収は「768万円」であり、小企業は平均以下、中企業は平均程度、大企業は平均以上とはっきり分かれているのが特徴です。

結果からもわかるように、大企業のほうが中小企業と比較すると年収が高いゆえに、貯蓄に回せる金額が増えることから、貯蓄額にも大きな差が生じているのだとうかがえます。