1.1 「130万円の壁」とは

施策の内容の前に、まずは年収130万円の壁についておさらいしておきましょう。

配偶者の扶養の範囲内で働いているパートやアルバイトの方は、年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れることになり、国民年金・国民健康保険料を自分で支払わなければならなくなります。

保険料を支払うことで収入がかえって少なくならないように、勤務時間を調整する必要が生じることがあり、このボーダーラインのことを130万円の壁といいます。

1.2 一時的に130万円を超えても扶養から外れない

今回、厚生労働省が公表した「年収の壁・支援強化パッケージ」では、残業などで収入が一時的に上がっても、事業主が証明書を提出すれば引き続き被扶養者のままとどまれることになります。

「一次的な収入増加」に該当する要因としては以下のケースが当てはまります。

  • 従業員が退職・休職したことにより業務量が増加した
  • 突然大口の受注が入り業務量が増加した
  • 業績の好調により業務量が増加した

一方、以下のようなケースでは引き続き収入が増えることが確実とみなされ、一時的な収入とは認められません。

  • 基本給が上がった
  • 継続的な手当が新設された

今回の「年収の壁・支援強化パッケージ」はあくまでも時限的なものであり、2024年(令和6年)予定の年金制度改正に向けて制度の見直しが行われる予定です。

なお、適用開始は2023年10月20日以降の被扶養者認定や収入確認からとされており、現在すでに適用されています。