東京商工リサーチが16日に発表した2017年の「チャイナリスク」関連倒産は、16年比50.9%減の54件だった。負債総額も389億4,700万円と45.7%減となった。件数が前年を下回るのは、2014年に調査を開始以来、初めてとなり、「チャイナリスク」のが鎮静化していることが読み取れる。
なお、「チャイナリスク」関連の経営破綻とは、コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)、品質問題(不良品、歩留悪化、模倣品、中国生産に対する不信など)、労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)、売掛金等回収難、中国景気減速、反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)、価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)、その他の8項目のどれかに破綻原因があるものを指している。
2017年は、以上8つの要因のうち「コスト高」が最大の要因で、件数で18件、構成比は33%であった。ただし、前年からは大幅に減少している。
製造業を中心に、日本企業にとって中国は生産拠点及び市場としての重要性が今後も高まることが予想される。このため、沈静化してきたとはいえ、中国関連企業については、引き続きこうしたリスクについての精査が必要であると考えられる。
LIMO編集部