2018年1月9日、NEC(6701)は、海外でのセーフティ事業拡大を加速するため、英国のノースゲート・パブリック・サービス社(NPS)を投資ファンドから4億7,500万ポンド(約713億円)で買収すると発表した。今月末までに買収完了する予定。

NPSは、英国を中心に公共分野向け(警察、中央・地方政府など)にソフトウェア事業やサービス事業を展開している。本社は英国にあり、オーストラリア、インドにも拠点を持ち従業員数は約2,000名。2017年4月期の売上高は1.6億ポンド(約250億円)、EBITDAマージン(一時費用を除く)は21.5%であった。

NECは、NPSが持つ強固な顧客基盤を活用し、NECが得意とする顔認証や指紋認証などの生体認証技術を用いたセーフティ事業を強化していく。具体的には、英国における警察向け事業の支援・強化に加え、デジタル先進国の英国で共通業務プラットフォームを基にした新たなセーフティソリューションを確立し、法制度の似た英連邦(コモンウェルス)を中心に海外市場へ展開していく考えである。

NECはパソコンやスマホに代わり、社会ソリューション事業に注力することで成長を目指している。そのなかでセーフティ事業は重要な柱の一つであるが、今回のM&Aによりグローバル展開が加速していくか、また、統合を早期に完了しシナジー効果を発揮できるかなどを注目していきたい。

LIMO編集部