世帯年収1000万円以上の貯蓄額・負債額

年収が1000万円以上の世帯の貯蓄額や負債額はどのくらいなのかも気になるところです。平均的な年収の世帯とどのように異なるのか、詳細を確認していきましょう。

平均貯蓄額は3066万円、中央値は1400万円

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、年収1000万円以上の世帯の平均貯蓄額は約3066万円です。

ただし、中央値は1400万円なので、高額な貯蓄額のある世帯が平均貯蓄額を引き上げていると考えられます。

ちなみに、全国の平均貯蓄額は1291万円、中央値は400万円です(金融資産なしの世帯も含む)。年収1000万円以上の世帯は、平均的な貯蓄額の世帯よりも約2.4倍の貯蓄額があり、中央値も1000万円高くなっています。

平均負債額は1859万円、中央値は1625万円

年収1000万円以上の世帯は、実は平均的な年収の世帯よりも借入をしている割合が多いです。

年収:借入金ありの世帯割合

  • 収入なし:12.3%
  • 300万円未満:16.1%
  • 300万円以上500万円未満:19.0%
  • 500万円以上750万円未満:23.1%
  • 750万円以上1000万円未満:20.4%
  • 1000万円以上1200万円未満:27.8%
  • 1200万円以上:25.6%

このように、年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯の27.8%が「借入金がある」と回答しており、最も高い割合となっています。

年収「1200万円以上」の世帯でも25.6%が「借入金がある」と回答しており、2番目に高くなっています。

金融広報中央委員会の同調査結果によると、年収1000万円以上の世帯の平均負債額は約1859万円で、中央値は1625万円です。

全国の平均負債額は1303万円、中央値は800万円なので、年収1000万円以上の世帯は平均よりも約550万円多く負債を抱えており、中央値も約2倍高額になっていることがわかります。

これらの結果より、年収1000万円以上の世帯では平均的な年収の世帯よりも、貯蓄額は多くなる一方で負債額も高額になる傾向にあることがわかります。

まとめにかえて

年収が1000万円以上ある世帯は約12.6%となっており、約8世帯に1世帯の割合が該当することになります。

全国の平均所得は545万7000円、中央値は423万円なので、収入面においてうらやましい世帯といえるでしょう。

ただし、年収1000万円以上の世帯は平均的な年収の世帯よりも貯蓄額は多いですが、負債額も高額になる傾向があり、資金の出入りが激しい世帯もあるでしょう。

とはいえ、年収1000万円以上を得られれば日々の生活にゆとりが持てる可能性も高くなるため、できれば収入は増やしたいものです。

スキルアップしたりスキマ時間に副業をしたりするなど収入アップを図る一方で、支出を見直しむだ遣いを減らすことも心がけましょう。

参考資料

木内 菜穂子