一気に年末の雰囲気が感じられるようになってきました。

今でこそ日本は長寿大国と言われますが、厚生労働省のデータによると1955年の平均寿命は男性で63.60歳、女性で67.75歳。いまの平均寿命からみると驚きの数字ですね。

平均寿命が延びているといっても、健康でないと働くことすらできません。

一昔前は「60歳で定年退職」が当たり前でしたが、今では65歳を過ぎて働く人もめずらしくありません。

「65歳でリタイア」というのは贅沢なのでしょうか。

今回は、現在のシニア世代のリアルなお金事情を眺めていきます。

1. 働く65歳以上が増加中!シニアの就業率の推移

かつて、定年退職を迎える年齢は「60歳」と定める企業が多くありました。

しかし近年、定年年齢の引き上げや定年制度そのものの廃止が義務化され、老齢年金の受給開始年齢となる65歳まで働ける環境の整備が進められています。

さらに、改正高年齢者雇用安定法が2021年4月から施行された「改正高年齢者雇用安定法」により、70歳までの雇用機会拡大が企業の努力義務として位置づけられました。

この影響もあり、「年金を受け取りながら働く」、「年金受給を遅らせてバリバリ働く」など、「老後」の選択肢が増えてきたのです。

内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、60歳代後半にあたる65~69歳の就業率は、2022年時点で50.8%と半数以上を占めています。

同グラフでは、70歳以降になると就業率は大きく低下している傾向にあります。70歳をひとつの目安として働くシニアが多いことが見てとれるでしょう。

さて、「年金だけでは老後生活は厳しい」という経済状況はよく耳にしますが、シニアの就業率が年々上昇している理由とは経済的なものでしょうか。