RIZAPグループ株式会社(札幌アンビシャス、2928、以下「同社」という)が、2024年3月期第2四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年9月30日)を発表した。

2023年3月期第2四半期より開始した「chocoZAP」への巨額投資により、各段階利益は継続して赤字となった。

本業の儲けを示す営業利益は、4四半期連続で赤字となる。

なお、同社としては2024年3月期をchocoZAP事業への戦略的投資を加速させる「先行投資期間」として位置付けている。

投資期間中ながら投資額を回収できるかが焦点になっているものの、同社は財務体質が改善傾向にあり、継続企業(GC,going concern)の前提に関する重要な不確実性はないとしている。

RIZAPグループの当第2四半期連結業績

「chocoZAP」会費収入の増加により、売上高にあたる売上収益は前年同期比+5.3%の810億1200万円となった。

利益面では、chocoZAP店舗の出店投資や広告・販促投資を計画的に行ったこと、また、既存事業においては原材料高・仕入価格の上昇の影響等も続き、巨額の赤字が継続している。

当上期の営業赤字額は、前年度の通期営業赤字額を既に上回っており、据え置いた通期業績予想額をも上回る水準となっている。

RIZAPグループのセグメント

同社は、「ヘルスケア・美容」「ライフスタイル」「インベストメント」の3つを報告セグメントとしている。

以下では、売上高が大きく、かつ赤字となっている、「ヘルスケア・美容」「ライフスタイル」を見ていく。

RIZAPグループの「ヘルスケア・美容」

  • パーソナルトレーニングジム「RIZAP」・コンビニジム「chocoZAP」を始めとするRIZAP関連事業の運営
  • 体型補整用下着、美容関連用品・化粧品・健康食品の販売等

から構成され、同社が最も力を入れているセグメントとなる。

2022年9月からは、新規事業「chocoZAP」を本格展開しており、

  • 2023年9月末時点の会員数は80万名超と急成長(2023年11月14日には100万人を超えた
  • 積極的な出店投資を行い、2023年9月末の店舗数は前期末比+550店の1029店

となっている。

「chocoZAP」会費収入などの増加により、セグメント売上高は前年同期比+38.3%の279億3700万円となる一方、セグメント損益は前年同期比▲44億7000万円の55億4400万円の赤字となっている。

■■RIZAPグループの「ライフスタイル」

「ライフスタイル」は、

  • エンターテイメント商品等の小売およびリユース事業の店舗運営
  • インテリア雑貨、アパレルおよびアパレル雑貨の企画・開発・製造および販売
  • スポーツ用品の販売等

から構成される。

市場が好況なトレーディングカード(トレカ)を中核商材と位置付け拡大を進め、 トレカの売上高は前年同期比+144%となった。

一方、その他の事業は減収減益となった結果、セグメント全体では、

  • 売上高:前年同期比▲6.7%の397億3700万円
  • 営業損益:前年同期比▲7億3700万円の▲1億円

と減収減益であった。

RIZAPグループの財務状況

同社は、2025年3月期には「chocoZAP事業が投資回収期に移行する」として、それ以降は借入金が減少するとしている。

また、

  • 四半期経過ごとに借入金の増加ペースは鈍化
  • 各財務指標は改善傾向

としている。

しかしながら、継続して業績は赤字かつ借入金も増加しているのが現状である。

また、金融機関との間で締結した金銭消費貸借契約における財務制限条項(コベナンツ)の一部に抵触している状況にある。

主な取引金融機関より、期限の利益喪失請求権の権利行使は行わないという方針について了承を得ているものの、

  • 新規事業chocoZAPの推進
  • 既存事業の収益の改善
  • グループ全体のコスト最適化ならびに財務管理体制の強化
  • 当初想定していたグループシナジーが見込めない周辺事業の売却等を含めた経営計画を遂行すること

を求められている。

そのためには、

  • グループ横断的なコスト最適化や業務合理化による固定費の削減
  • 不採算店舗の高収益業態への転換や統廃合
  • 銀行以外の金融機関からの資金調達
  • 資本性劣後ローンによる資金調達
  • 資金調達施策の遂行状況と連動した出店投資・広告宣伝投資の抑制などのキャッシュ・フロー改善施策

などを実施する必要があり、依然として厳しい経営状況が続くことに変わりはない。

同社の業績回復は、chocoZAP事業が成功するかどうかが大きく影響する。

RIZAPグループの配当

同社は、2019年3月期より剰余金の配当を実施していない。

安定的な利益を確保し、財務体質の健全化と経営体質の基盤強化を図り、株主への利益還元に取り組む、としている。

RIZAPグループの株価

2024年3月期上期決算およびchocoZAP(チョコザップ) 会員数100万人達成の発表を受けて、株価は一時は325円まで上昇し、2023年11月15日の終値は前日比0円の304円であった。

年初来高値は、2023年10月24日の386円である。

参考資料

石川 貴康