高値圏で小幅な値動き。2万3000円台の上値は重い
2017年12月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より36円66銭高の22,902円76銭となりました。先週は、クリスマスを前に海外投資家の動きが鈍く、値動きも小幅でした。21日のザラバ安値(22,728円)と19日のザラバ高値(22,990円)の差は262円ほどしかありませんでした。
20日には米国で、連邦法人税率を35%から21%に引き下げる税制改革法案が、上下両院で可決されました。大型減税をともなう約30年ぶりの抜本的な税制改革の成立が確実になったものの、市場では織り込み済みで、同日の米株式相場では利益確定目的の売りが目立ちました。
その後22日金曜日まで、ダウ工業株30種平均やハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅にもみ合って終えました。為替も、クリスマス休暇を控えて市場参加者が少なく、方向感に乏しい展開でした。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。大きなポイントはやはり、2万3000円台を回復できるかどうかでしょう。今年の大納会は12月29日金曜日なので、営業日は残り5日あります。
「掉尾(とうび)の一振」への期待も高まるところですが、海外の投資家の中にはクリスマスや年末の休暇に入っている参加者も多く、商いは薄くなりそうです。ちなみに、22日の東証1部の売買代金は2兆4038億円(概算)でした。5営業日連続で2兆円台にとどまっています。
2万3000円台に向けては、米株高、円安が条件になりそうですが、米国の株式市場、為替市場も閑散となる時機であり、力強い動きになりそうにはありません。また、米税制改革法案による企業業績の向上などの成果が出るのも新年以降になりそうです。
一方で、薄商いゆえに急に価格が動き出すことも考えられます。特に、足元の調整に対しては押し目買いが入りやすくなっているため、突然2万3000円台に達することも考えられます。柔軟に対応できるように備えておきたいところです。
2万3000円台に何度もトライするが壁は厚い
先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。全般的に小幅な値動きでした。その中でも、ザラバでは18日(22,927円)、19日(22,990円)、20日(22,923円)、22日(22,908円)と、何度も2万3000円台にトライするものの、あとわずかで届きませんでした。
ただし、弱々しい印象はありません。むしろ、2万3000円台を今か今かと狙っているような動きです。5日移動平均線に下値をサポートされており、25日移動平均線も上向きです。
上昇三角形からの上抜けに期待
今週の動きはどうなるでしょうか。前週に25日移動平均線を割り込んだものの、先週はそれを回復すると5日移動平均線にサポートされる形で小じっかりとした印象を受けます。
さらに現在12月6日の安値(22,119円)と12月15日の安値(22,478円)を結ぶラインと、直近の高値である22,990円付近を高値のラインとする三角持ち合いの形になっています。上値が一定で下値が切り上がるアセンディングトライアングル(上昇三角形)です。強気のフォーメーションであり、上昇に期待ができます。
上値のめどとしては、2万3000円とともに、11月9日の高値(23,382円)となります。楽しみなのは、2万3000円に何度もトライしていることから商いが積み上がっていることです。2万3000円を抜けると一気に上昇し定着することも考えられます。
逆に、今後反落するとすれば、下値のめどは12月6日の安値(22,119円)あたりになりますが、このあたりはまだ三角持ち合いの範囲内であり、押し目買いの好機になるでしょう。
下原 一晃