そのことを考えるために、まず、経済産業省が発表している「特定サービス産業動態統計調査」から、足元のパチンコホールの設置台数や売上の状況を確認したいと思います。
設置台数については、4月から10月まで7か月連続でプラスが続いており、直近の10月は前年同期比+1%となっています。ただし、2014年から2015年は毎月2~3%の増加が続いていたことを考慮すると、底打ち傾向にはあるものの、まだ本格回復の兆しは見えません。
一方、売上高については2014年4月から連続してマイナスが続いており、10月も同▲4.2%となっています。10%を超えるマイナスが続いていた2016年3月から11月に比べると、やや下げ止まりの傾向は見られるものの、まだまだ厳しい状態にあり、「パチンコ離れ」が続いていることが読み取れます。
ちなみに、この「パチンコ離れ」は、長期のトレンドを見ることでいっそう鮮明になります。日本生産性本部の「レジャー白書」によると、パチンコ・パチスロ市場規模(貸し玉料)は、2007年(暦年)の約30兆円から、2010年には約26兆円、2015年には23兆円に減少しています。
また、ダイコク電機の調査資料によると、業界全体の粗利益の規模も、2007年(暦年)の約4.4兆円から2010年には約3.95兆円、2016年には3.11兆円へと減少が続いています。
このため、こうした長期トレンドが大きく変わらないのであれば、規制強化による買い控えが一巡しても、大幅な回復は見込み薄ではないかと考えられます。
今後の注目点
パチンコ・パチスロ市場は、低迷しているとはいえ、20兆円を超える巨大市場です。