「年収1000万円でも生活が苦しい?」高所得者の生活実態とは
年収が1000万円超であれば「贅沢な暮らしができる」とイメージする方も多いかもしれませんが、実際は「年収が1000万円でも生活が苦しい」と感じる人は少なくないようです。
その背景として「日本の税制の仕組み」が、高所得でも生活が苦しくなる要因の1つとして挙げられます。
日本の税制は「所得が上がるほど税負担も増える」仕組みとなっており、課税給与所得が1000万円以上になると、所得税率は33%から40%にあがります。
制度上、税負担が重くのしかかるため、「年収1000万円を超えてもそこまで実際の手取りが増えない」と感じてしまう人が多いのだとうかがえます。
そのため、高所得者ほど資産運用をしてお金を増やしたり、税負担を軽減する目的でさまざまな節税手段を導入していたりします。
では、具体的にどのような投資や節税手段を行っているのでしょうか。
次章で詳しく解説していきます。
年収1000万円以上の8割の人が投資を行っている
株式会社FAMOREは、年収1000万円以上の方を対象に「高所得者の投資状況と金融意識」の実態調査を行っています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査概要:「高所得者の投資状況と金融意識」の実態調査
- 調査期間:2023年9月26日
- 調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
- 調査人数:1005人
- 調査対象:調査回答時に 年収1000万以上 であると回答したモニター
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
- リリース公開日:2023年10月24日
上記調査の結果、年収1000万以上の8割が投資を行っており、ジャンルとして「株式投資」「投資信託」が上位を占める結果となりました。
現在行っている投資の種類で「株式投資(62.9%)」「投資信託(47.4%)」に次いで多かった回答として、「外貨預金(17.4%)」「不動産投資(16.8%)」「金・プラチナ(12.9%)」が続きました。
上記調査より、株式投資以外にも「不動産」や「金」など、さまざまなジャンルの投資をしている人が多いことがうかがえます。
一方で、2割の人は投資を行っておらず、投資を行わない理由として「知識がない」「投資でお金が減るのが怖い」ことが最も多い回答となりました。
多くの高所得者が投資により資産をさらに増やしている一方で、知識不足や投資へのリスクから、投資を行わない人も一定数いるようです。
年収1000万円以上の人が活用する節約・節税方法とは
株式会社FAMOREの行った「節約・節税として行っていることを教えてください」というアンケート調査では、年収1000万円以上の人が活用する節約・節税方法としてNISA制度の利用が最も多く挙げられました。
次いで多かった回答として「保険の見直し(29.1%)」「iDeCo制度の利用(27.1%)」「家計の収支を見直す(22.7%)」が続きました。
NISA制度は、運用利益にかかる税金が非課税になる制度であることから、従来の投資よりもお得に利益を出しやすいのが特徴です。
また、私的年金となる「iDeCo」は、掛金の全額が「所得控除の対象」となるため、年収が高い人ほどiDeCoを利用することで、節税効果につながるため高所得者ほどお得に活用できる制度といえます。
そのほかにも、保険や家計の収支を見直すことで、節約している高所得者世帯は少なくないことがわかります。