ニュースなどでも話題として取り上げられている老後問題。

総務省統計局の調査によると、2015年には60歳以上の単身無職世帯の消費支出は月平均で14万3862円でした。

一方で、2021年では65歳以上を対象とした調査ではありますが月平均で13万2476円となっています。

さらに、実収入は2015年が月平均で11万5179円。2021年が月平均で13万5345円という結果でした。

理由はさまざまだと思いますが、なるべくお金を使わないようにしていることも考えられます。

年金だけの収入になれば、財布の紐を締めないといけないこともあるでしょう。

今回は男性にスポットを当て、月額15万円以上の厚生年金を受け取る人がどのくらいの割合か見ていきたいと思います。

1. 厚生年金とは?公的年金は2階建てのしくみ

まずは簡単に日本の年金制度のしくみについて確認しておきましょう。

日本の公的年金制度は、20歳以上の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」による、2階建て構造になっていています。

国民皆年金のため、原則として加入が義務付けられているのです。それぞれの特徴を整理しましょう。

1.1 国民年金(1階部分

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直しあり)
  • 年金額:79万5000円(2023年度の年額)✕調整率(未納期間がある場合は減額調整)

国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、毎月保険料を自分で納めます。第2号被保険者に扶養される配偶者(第3号被保険者)は、個人としては保険料を負担する必要はありません。

20歳から60歳になるまでの40年間(480カ月)、未納なく保険料を納めると、基本的に65歳から老齢基礎年金を満額受け取ることができます。

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(過去の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定

厚生年金や共済年金に加入している人(会社員や公務員などの第2号被保険者)は、毎月の保険料を会社と折半で負担し、保険料は毎月の給料から天引きされます。

厚生年金の保険料は、収入をベースに算出されるため、収入に比例して保険料も上がります(上限あり)。

将来に受け取る老齢厚生年金は、現役時代の働き方や年収によって千差万別ということです。年金を受給しているシニア世代に限っては、男性の方が賃金が高く労働期間も長かったことから、男女差が大きいという特徴もあります。

では、男性の中で「厚生年金が月額15万円以上」という割合はどれぐらいなのでしょうか。