3. 厚生年金:女性の平均年金月額はいくら?
同資料より厚生年金の受給額事情についても見てみましょう。
3.1 厚生年金(老齢厚生年金)※老齢基礎年金も含む
女性の厚生年金の平均月額:10万4686円
厚生年金は、現役時代の年金加入期間や毎月の給与や賞与などの報酬により老齢厚生年金部分が決定します。
年金月額は以下のとおり、1万円未満~30万円以上と大きな個人差が見られます。
厚生年金:女性の総受給権者数:535万2232人
- ~1万円未満:2万9276人(0.5%)
- 1万円~2万円未満:6963人(0.1%)
- 2万円~3万円未満:5万519人(0.9%)
- 3万円~4万円未満:8万9784人(1.6%)
- 4万円~5万円未満:7万9430人(1.4%)
- 5万円~6万円未満:9万3183人(1.7%)
- 6万円~7万円未満:23万7418人(4.4%)
- 7万円~8万円未満:44万2558人(8.2%)
- 8万円~9万円未満:68万666人(12.7%)
- 9万円~10万円未満:85万1331人(15.9%)
- 10万円~11万円未満:77万7047人(14.5%)
- 11万円~12万円未満:59万523人(11.0%)
- 12万円~13万円未満:41万5686人(7.7%)
- 13万円~14万円未満:29万4029人(5.4%)
- 14万円~15万円未満:21万3811人(3.9%)
- 15万円~16万円未満:15万5836人(2.9%)
- 16万円~17万円未満:11万2272人(2.0%)
- 17万円~18万円未満:7万6925人(1.4%)
- 18万円~19万円未満:5万2191人(0.9%)
- 19万円~20万円未満:3万7091人(0.6%)
- 20万円~21万円未満:2万4351人(0.4%)
- 21万円~22万円未満:1万6322人(0.3%)
- 22万円~23万円未満:1万444人(0.1%)
- 23万円~24万円未満:6549人(0.1%)
- 24万円~25万円未満:3719人(0.06%)
- 25万円~26万円未満:2081人(0.04%)
- 26万円~27万円未満:1047人(0.02%)
- 27万円~28万円未満:488人(0.01%)
- 28万円~29万円未満:196人(0.004%)
- 29万円~30万円未満:135人(0.003%)
- 30万円以上:361人(0.007%)
女性の厚生年金の月額は10万4686円ですが、ボリュームゾーンは9万円~10万円未満です。
また、上図によると、男性の厚生年金の平均月額は16万3380円ですので、男女で約6万円もの差が見られます。
現在のシニア世代が現役の頃は、結婚や出産を機に女性が家庭に入ることが一般的でした。そしてキャリアを積むことが難しい労働環境でした。
こうした背景がシニア世代の厚生年金受給額の男女差として表れていると考えられます。
そもそも厚生年金の女性の受給権者総数は約535万人と国民年金の受給権者総数の約4分の1です。専業主婦や扶養の範囲内で働く女性が多かったことが見てとれますね。
しかし、近年は女性を取り巻く労働環境が大きく変化しています。いま働き盛りの世代が老齢年金を受け取る頃には、男女差や、女性の国民年金と厚生年金の受給権者数の差などは縮まっていることでしょう。
4. 年金だけに頼らず資産を積み上げていくことが大切
今回は現役シニア世代の女性にフォーカスして年金事情をみてきました。
理想のセカンドライフを迎えるためには、今の働き方が大事になってくる点は言うまでもありませんが、年金だけに頼らず今のうちに資産の積み上げをしておくことは大切です。
低金利の日本ではどんなに時間をかけても効率的に資産を増やすことはもはや不可能です。
そこで活用していきたいのがお金に働いてもらうこと=資産運用です。
貯蓄とは異なり、資産運用にはリスクがともないます。大切なことは「長期・分散・積立」の3つのポイントをおさえることです。
リスクの許容度も人それぞれです。今は国も自助努力を後押しする仕組み、制度を用意してくれていますので、メリット・デメリットをきちんと把握した上でご自身に合った方法を取り入れてみてください。
スタートは何事も早いに越したことはありません。無理なく時間を味方につけて将来のセカンドライフを楽しんで迎えましょう。
参考資料
笹村 夏来