70歳代以降のマネープラン

70歳代以降のマネープランについて、3つのポイントにて考察しました。

介護などのリスクに備えた運用

介護が必要になった場合、予想外に支出が増える可能性があります。

定年退職後は、収入よりも支出のほうが大きくなりがちです。

70歳以降は、いままで貯めた資産を取り崩しつつ生活する方法が一般的ですが、90歳まで文化的な生活を送ることを想定して、資産運用を継続する考え方もあります。

70歳代以降の資産運用は、あらたに資金を積み立てていくよりも、インフレなどによる資産の目減りを防ぐための保守的な運用を考えたほうが良いでしょう。

70歳まで働いて以降の資産運用に備えておく

不動産収入など定期的な収入がある場合は別ですが、70歳代以降の本格的な老後生活に向けて、65歳の定年から70歳までの間は働くという選択肢もあります。

新たな資産を積み上げるというよりは、いままで蓄えてきた資産を守るための労働と考えたほうが良いでしょう。

最近では働く意志があれば、年齢に関係なく雇う会社も増えています。

週5日の労働ができれば良いのですが、体力的に難しい場合は週3〜4日でも働いてみてはいかがでしょうか。

厚生年金保険は原則として70歳まで加入できます。

5年間働いて納めた厚生年金保険料は70歳以降の年金額に上乗せされるため、よりゆとりのあるマネープランの土台となるでしょう。

年金の繰り下げ受給

70歳まで働くことと関連しますが、原則65歳から受給できる年金を70歳に繰り下げすると、1か月あたり0.7%年金額を増やすことができます。

1年間では0.7×12=8.4%、70歳までの5年間繰り下げると42%となり、最長の75歳まで繰り下げた場合は84%の受給額アップです。

65歳から受給額年間14万円の人が繰り下げ受給をした場合、5年間と10年間で増える年金額は次のとおりです。

  • 70歳まで繰り下げ:14万円×1.42=19万8800円
  • 75歳まで繰り下げ:14万円×1.84=25万7600円

70歳以降のマネープランを見据えて、年金の繰り下げ受給を検討するのも有効な選択肢ではないでしょうか。

年金を繰り下げしている間は、年金の受給はありませんので、労働のバランスを考えて繰り下げ受給を検討するとよいでしょう。