1.1 国民年金と厚生年金の金額の調整はどう決まるのか

国民年金と厚生年金の金額は、総務省から「平均の全国消費者物価指数」が公表されるのを受けて、法律の規定に基づいて年金額が改定されます。

年金額の改定は、名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回る場合、新規裁定者(67歳以下の方)の年金額は名目手取り賃金変動率を、既裁定者(68歳以上の方)の年金額は物価変動率を用いて改定することが法律で定められています。

調整された年金支給額の変更が反映されるのは、4月分の年金受給額からです。

1.2 2023年度の国民年金と厚生年金の金額は

2023年度の年金額は、新規裁定者は名目手取り賃金変動率(2.8%)を、既裁定者は物価変動率(2.5%)を用いて改定されました。

2023年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.3%)と、2021年度・2022年度のマクロ経済スライドの未調整分による調整(▲0.3%)が行われます。

この調整のため、2023年度の年金額の改定率は、新規裁定者は名目手取り賃金変動率2.8%から▲0.3%と▲0.3%を差し引いた2.2%、既裁定者は物価変動率2.5%から、新規裁定者同様に調整分を差し引いた1.9%となります。

2023年度の年金額は国民年金で6万6250円(1人分、満額の場合)、厚生年金で22万4482円(平均的な夫婦2人分、国民年金含む)です。

2023年度の年金額は、新規裁定者(67歳以下の方)では前年度から2.2%の引き上げとなり、既裁定者(68歳以上の方)では前年度から1.9%の引き上げとなりました。

1.3 年金の受取りは偶数月。10月13日が支給日

国民年金、厚生年金は給与と違い、毎月振り込まれません。

原則として2カ月に1度、年6回、偶数月の15日となっており、その2カ月前と前月分の年金を受け取ります。支払い日が土日または祝日ならばその直前の平日に支払われます。

年度が替わって年金額が変更になった4月分の年金は、5月分と合わせて2カ月分が6月に支給されます。

年金を受給されている方にとっては6月になると毎年の受給額が変わっていることになります。