イタリアの各都市に残るバールの老舗と逸話

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イタリアで最も古いカフェとされているのは、ヴェネツィアの「カフェ・フローリアン」。1720年創業のカフェには、哲学者のニーチェ、俳優のチャーリー・チャップリン、文学者のヘミングウェイの姿が見られたといわれています。

交易で栄えたヴェネツィアの象徴として、今もサン・マルコ広場の一隅で観光客を集めているカフェです。

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ローマで1760年に開業したのが、「カフェ・グレコ」です。スペイン階段のほど近く、ハイブランドが軒を連ねるコンドッティ通りにあるカフェ・グレコは、壁にはさまざまな額がかけられて、さながら美術館のような趣きがあります。

音楽家のワーグナー、詩人のバイロンが愛したといわれる伝説を残しています。

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イタリアで最もコーヒーがおいしいといわれるナポリの老舗「カフェ・ガンブリヌス」。サン・カルロ劇場に近く、美しいプレビシート広場の一角にあるこのカフェもまた、そうそうたる顧客を持っていたことで知られています。

カフェ・ガンブリヌスのジェラートファンだったというオーストリア皇后エリーザベト、作家のヘミングウェイやオスカー・ワイルド、哲学者のサルトルなど。教科書に登場するような人々が顧客だったわけです。

それぞれのカフェが持つエピソードが、観光客にとっては魅力なのでしょう。現在も老舗のカフェは、押すな押すなの大人気となっているわけです。