3. 70歳代以上の月の生活費はいくら?年金だけで足りるか
70歳代以上がひと月にもらえる年金額を確認しましたが、生活費の平均はいくらなのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、70歳代以上二人以上世帯におけるひと月の平均消費支出は23万7203円です。
夫婦ともに厚生年金受給者であれば年金だけでの生活も可能な水準ですが、国民年金しかもらえない自営業者夫婦などが年金だけで生活するのは一般的に難しいでしょう。
4. 70歳代以上の就業率は何パーセントか
現在は、高齢になっても働き続ける人が増えています。では、70歳代以上で働く人はどれくらいいるのでしょうか。
総務省統計局「2.高齢者の就業」によると、70歳代以上の就業率は18.1%です。
70歳代以上の約5.5人に1人が、働いているのが実態です。
なお、国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、年代別の平均年収は以下のとおりです。
70歳代以上の平均年収をみると以下の通りでした。
4.1 70歳以上の平均年収
- 全体:298万円
- 男性:367万円
- 女性:211万円
ただし上記は平均年収であり、働き方はさまざまなため個人差は大きくなるでしょう。
「長く働きたい」と考える方もいると思いますが、気力は大きくても体がついていかなくなる場合もあります。
長く働き続けるキャリアプランを立てる一方で、働けなくなったときのマネープランも立てることが大切でしょう。
5. 必要な老後対策は人それぞれ
70歳代以上の平均的な生活実態を解説しましたが、貯蓄額やもらえる年金・生活費は世帯によって異なります。
特に、年金は現役時代の働き方や年収などによって大きく受給額が変わるため注意しましょう。
年金受給額が少ない世帯は、貯蓄や投資、長く働くことなどで老後資金の準備が必要です。
「ねんきんネット」を使えば簡単に将来もらえる年金の目安をシミュレーションできるので、利用してみてください。
お金と仕事、両面で老後に向けた対策を考えるといいでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「2.高齢者の就業」
- 国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
苛原 寛