2. 正社員の企業規模別の年収はどれくらい?
続いて、正社員の年収をみてみましょう。1年を通じて勤務した正規の給与所得者は、男性が1,811万人、女性が594万人と男性が圧倒的に多くなっています。
企業規模による平均年収を見ると、高低差は約300万円となっています。この違いだけで、非正規1人分の平均年収を超えていることになります。
企業規模1億円以上となると、男性は600万円近くになってきます。企業規模10億円以上になると、男性は700万円以上、女性は500万円以上です。同じ企業規模10億円以上の非正規は、男性が280万円ほど、女性が160万円ほどとなっていました。正規・非正規の差は、同じ企業規模(10億円以上)で、男性は470万円ほど、女性は340万円ほどの差があります。
正規・非正規で大きな年収差があり、企業規模でも差があり、さらに性別による差がある、という現状が分かります。
3. 非正規雇用を選択せざるを得ない状況
「収入を増やしたいなら共働きをすればいい。正社員になればいい」と言われても、子どもが小さい、保育園に空きがない、家事育児が女性の負担になりやすい、という困難も待ち構えています。出産後、正社員に復職したり再就職できたとしても、保育園の送迎のため時短勤務を選択したら昇給がなくなった、収入が減ってしまったというケースも珍しくありません。
正社員として頑張っても「残業ができない」「休みがち」などの理由で出世コースから外れてしまう「マミートラック」に陥ることもあるようです。あえて非正規雇用を選択している人もいるでしょうが、不本意ながら非正規雇用を選択している人もいるでしょう。非正規雇用者(男女合計)は全労働者の37.3%という割合を占め(※2)、非正規雇用の女性は560万人、男性も約300万人います。「非正規の給与が低くても、その多くは女性だろう」「家計の補助的就労だろう」という既成概念はもう通用しないのかもしれません。