厚生労働省は、2023年9月21日、個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会(第14回)(以下「検討会」という)を開催した。

同じ職場で勤務しながらも、企業従業員とフリーランスとでは明確な区別がある。

検討会では、継続して議論されており、2023年9月21日、報告書を取りまとめた。

フリーランスへの安全衛生対策が議論されることとなった背景

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2021年5月17日、建設現場のアスベスト被害(石綿関連疾患)について、最高裁判所が「労働者に該当しない者」についても保護の対象とするべきとする判決(最高裁第1小法廷判決・令和3年5月17日)があった。

判決では、「同じ現場で働いていて、健康障害が生じるおそれがある場合には(中略)保護の対象とすべき」との判断が示された。

当該判決を機に、フリーランス等の安全衛生対策が議論されることとなった。