2. 【70歳代】おひとりさまの貯蓄額「貯蓄ゼロ」は約3割も
長い老後生活をおひとりさまで過ごす上で、強い味方となるのが「貯蓄」ではないでしょうか。
年を重ねるごとに負担が大きくなると言われる医療費、必要になるかどうかが分からないものの備えておきたい介護費用など、「足りなくなって困らないように」お金を貯めておきたいものです。
では、現在70歳代のおひとりさまの貯蓄事情はどうでしょう。
2.1 【70歳代】おひとりさまの貯蓄額と分布
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」から、70歳代「ひとり世帯」の貯蓄額と分布を見ていきましょう。
【70歳代・単身世帯の金融資産保有額】
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
【70歳代・単身世帯の金融資産保有額別の分布】
- 金融資産非保有:28.3%
- 100万円未満:5.2%
- 100万円~200万円未満:4.0%
- 200万円~300万円未満:4.2%
- 300万円~400万円未満:4.6%
- 400万円~500万円未満:3.0%
- 500万円~700万円未満:8.8%
- 700万円~1000万円未満:4.8%
- 1000万円~1500万円未満:5.6%
- 1500万円~2000万円未満:5.8%
- 2000万円~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:16.1%
- 無回答:1.2%
70歳代「おひとりさま」の貯蓄額は、平均1433万円、中央値485万円でした。
平均と中央値で1000万円ほど乖離していますね。
平均は大きな数値に引き上げられているようですので、数値を小さい順に並べた時に真ん中にくる中央値を参考値として見ておきましょう。
また、金融資産保有額別の割合を見ると、貯蓄ゼロの70歳代おひとりさまが約3割もいることが分かります。
「貯蓄」とは何を示すのか、考えはさまざまありますが、当該データの貯蓄は預貯金だけでなく保険や株式、投資信託、債券などの投資商品の資産額も含みます。
日々の生活は年金収入でカバーできるかもしれませんが、金融資産がゼロの状態で過ごす老後は不安でしょう。
では、その年金収入。年金だけで生活できる人は多くないという声もありますが実際はどうなのか。次章で見ていきます。