老後の年金生活を考えると、皆さんはいくらぐらいの年金を望むでしょうか。
普段、生活をする上で必要なものは「お金」です。もし10月13日の年金支給日に「30万円」という金額が振り込まれるとすると、うらやましいと感じるかもしれません。
どの世代にも共通することですが、お金があれば良いサービスを受けられ、質のいい食事を取ることができます。
では、実際に30万円の年金を受給する条件はどのようなものがあるのでしょうか。
年金の仕組みから平均受給額などについても解説をしていきたいと思います。
1. 国民年金と厚生年金の仕組みを知ろう
まずは公的年金のおさらいをしておきましょう。
「国民年金(基礎年金)と厚生年金」は、次の図のとおり2階建ての構造をしています。
1.1 国民年金(基礎年金)
- 1階部分に位置する公的年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律で、40年間欠かさず納めれば満額が受け取れる
1.2 厚生年金
- 2階部分に位置する公的年金
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 加入期間や、収入(上限あり)に応じて保険料や将来の受給額が変わる
もらえる年金には老齢年金、遺族年金、障害年金がありますが、今回は老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金にフォーカスをあてて受給額に迫ります。
2. 厚生年金と国民年金月額は67歳以下で2.2%の増額に
2023年度の国民年金と厚生年金の年金額は下表のとおりです。68歳以上で1.9%、67歳以下で2.2%の増額となりました。
- 国民年金(満額):6万6250円(新規裁定者で前年度より+1434円。68歳以上の方は6万6050円)
- 厚生年金はモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金):22万4482円(前年度より+4889円)※
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。
「標準的な夫婦の年金22万4482円」の内訳は、夫婦の老齢基礎年金(満額)と夫の厚生年金ということなので、ここから厚生年金部分のみを算出してみましょう。
22万4482円ー(6万6250円×2人分)=9万1892円
厚生年金部分のみとなると、約9万円でした。これが、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合にもらえる純粋な厚生年金月額ということです。
老齢基礎年金と合わせると、一人分の年金額は「15万8232円」になります。
3. 10月13日に「ひとりで30万円の年金」を受け取る人の条件
冒頭の「ひとりで30万円の年金」を受け取る人に戻りましょう。
年金は、原則として偶数月の15日に2ヶ月分が振り込まれます。10月15日は日曜日なので、今回は13日の金曜日が年金支給日です。
先程確認したように、2023年度のモデル厚生年金から算出した「ひとり分」の老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額は月額「15万8232円」。
こちらの「2ヶ月分」振り込まれるため、厚生年金のモデル「ひとり分」であれば、31万6464円が支給されることになります。
つまり、厚生労働省が提示する「標準的な稼ぎだった方」は十分目指しやすい金額と言えるのです。
しかし、2ヶ月分だと考えると随分と印象が変わるのではないでしょうか。10月がすぎれば、次の支給日は12月15日です。
それまで31万6464円でやりくりするのは、居住地や家族構成によっては難しいと感じるかもしれません。
さらに注意したいのが、税金や社会保険料による天引きです。
支給額はあくまでも「額面」であり、ここから社会保険料や税金が天引きされます。ひかれた「手取り」はこれよりも少なくなるでしょう。
実際の振込額は「年金振込通知書」等でしっかり確認することが大切です。
4. 厚生年金「月額15万円」が標準ライン。実際目指せるのか
厚生年金の標準的な額を月額に換算すると、15万8232円でした(国民年金を含む)。では、実際にどれくらいの人が月額15万円の年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省の資料から確認してみましょう。
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
4.1 厚生年金受給額ごとの受給権者数
全体:1618万445人
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※国民年金部分を含む
厚生労働省の資料によると、厚生年金「15万円以上~16万円未満」という人は97万1605人いました。
15万円以上の割合を算出すると46.1%となっており、半分近くの方が額面で15万円以上と考えられます。
一方で、15万円未満の方も半分以上と考えると、予想以上に厳しいと感じた方もいるかもしれません。
5. 自身の年金受給額に不安な方は?
年金受給額についてお話をしましたが、「ご自身が思った以上に年金を貰えそうにない」と思われた方も多いのではないでしょうか。
年金は現役時代の年収や期間によって大きく左右されるため、不安な方はお仕事を頑張ることも老後生活への対策とも言えます。
ですが、現在の日本では平均年収が上昇傾向にないため、中々難しいのも事実です。並行して貯蓄を進めることも重要でしょう。
貯蓄方法にも、貯金や資産運用などたくさんの方法がありますが、最も重要なのは自分に合った方法を選択することです。
人それぞれ、性格や状況、年収などは違います。その人にあった方法を選択することが老後生活を送る上でのお金の不安を取り除ける可能性が大きく上昇します。
筆者は大学を卒業してから今まで金融機関に勤めてきましたが、自分に合った方法を探し、貯金や資産運用を選択している方をたくさん見てきました。
まずは、ご自身にどんなものが合うのかを調べてみることも良いでしょう。
この記事を読んで、お金について考えるきっかけになれば幸いです。

