厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」によると、女性管理職を有する企業割合を役職別にみると、部長相当職ありの企業は12.1%(令和2年度13.1%)、課長相当職ありの企業は20.1%(同20.8%)、係長相当職ありの企業は21.0%(同22.6%)となっています。

女性の社会進出が取り上げられる中、まだまだ男性の管理職の割合が多いことが分かります。

一般的に、管理職になると役職手当がつき、年収が上がります。現役時代の生活が潤い、老後生活への潤いにも繋がるでしょう。

現在年金を受給しているシニア世代は、今よりもっと男女格差がありました。その格差は厚生年金の年金額からも読み取ることができます。

そこで今回は、女性の年金事情に着目し、データを眺めていきます。

1. 日本の公的年金制度「国民年金・厚生年金」2階建て構造の仕組み

最初に、日本の年金制度について仕組みをおさらいしておきましょう。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2つの年金制度で構成されており、「2階建て構造」ともいわれています。

下の図を見ていただくと分かりやすと思います。

1.1 国民年金(老齢基礎年金):1階

国民年金は、年金制度の”基礎”の部分にあたります。20歳~60歳未満までの、原則、日本に住む全ての人が加入する年金です。

自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者は、国民年金保険料を自ら納めなければいけません。ちなみに2023年度の保険料は全員一律「1万6520円」で、年度ごとに見直しが行われます。

会社員や公務員などの第2号被保険者は、国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入するため、厚生年金の保険料を納めます。第2号被保険者と、この第2号被保険者に扶養される配偶者である第3号被保険者の国民年金保険料は、厚生年金制度により負担される仕組みです。

老後に受給する老齢年金は、国民年金保険料を40年間(480カ月)全て納付した場合に満額を受給することができます。もし未納がある場合には満額から減額されます。

1.2 厚生年金(老齢厚生年金):2階

厚生年金は、主に会社員や公務員などが対象となる年金です。

保険料は、給与や賞与などの報酬によって決定するため、人によって保険料額が異なります。老後の年金額は、この保険料と年金加入期間によって決定します。

現役時代の働きぶりが老後の年金収入に大きく影響するというわけです。