3. 今から備えておきたい私的年金
将来、生活資金や介護費用の工面に苦労しないためには、公的年金だけに頼らず、私的年金を用意しておくことが大切です。
ここでは、今から始められる私的年金の準備を紹介します。
3.1 iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは「個人型確定拠出年金」と呼ばれ、自ら掛金を拠出して将来の年金を準備する制度です。
毎月の掛金は自分で選んだ金融商品で運用し、その運用成果を年金として受け取ります。
年金は原則60歳以降に受け取れますので、公的年金とは別に収入源を確保できるメリットがあります。
また、iDeCoの掛金は全額所得控除されるため、税金対策と老後対策の2つを同時にできる点も大きなメリットです。
3.2 個人年金保険
個人年金保険も私的年金のひとつで、毎月掛けた保険金を将来年金として受け取る民間の保険商品です。
iDeCoは「将来の受け取り額がいくらになるか分からない」という特徴がありますが、個人年金保険の中には「将来受け取る金額が契約時点で確定する」という定額型保険があります。
「受取額が分かっていた方が安心」という人は、定額型保険を選ぶのもひとつの方法です。
また、保険金は一括で受け取ることも可能ですので、「まとめて受け取って老人ホームの初期費用に充てる」といった使い方もよいでしょう。
4. 老後対策は計画的に取り組もう
充実したセカンドライフを送るためには、しっかりと貯蓄を行っておくことが欠かせません。
まずは、「どれくらい老後資金が必要か」といったことを明確にし、現役世代のうちから計画的に準備に取り組みましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」
- 公益社団法人全国有料老人ホーム協会「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究報告書」
椿 慧理