川崎重工業(7012)と三菱重工業(7011)の株価は、2023年4月末まではシリコンバレーバンクの破綻やクレディスイスの買収に伴う株安の影響で一時下落したと考えられる以外は、概ね横ばいで推移していました。

5月以降は2022年度の好業績や増配、そして円安の進行などにより上昇傾向となっていると思われます。

三菱重工業と川崎重工業の株価推移(円:終値ベース。以降も特記ない限り全て終値ベース)2022年12月30日~2023年8月17日

出所:各種資料をもとに筆者作成

今回は重工大手2社の株価や配当金、株主優待を確認しましょう。

※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。

1. 「川崎重工業(7012)と三菱重工業(7011)」株価の推移1.金融セクター不安の影響に伴う一時的な株安か

2023年4月末頃までは両社の株は概ね横ばい傾向ですが、唯一3月は一時的な株安となりました。

2023年3月はシリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収が発生し、金融セクターを中心に株が急落。一時的には日経平均も3月9日から3月20日にかけて約5.9%下がるなど、下落傾向となりました。

川崎重工業や三菱重工業などの重工企業は企業の設備投資の多寡が業績に影響を与えるため、景気動向の影響を受けやすい傾向にあります。

金融セクター不安が景気悪化につながる可能性への懸念から、一時的には、日経平均以上に株価は大きく下落したと思われます。

3月9日~3月20日の三菱重工業、川崎重工業と日経平均株価の騰落率3月9日と3月20日の各株価終値を元に騰落率を算出。

出所:各種資料をもとに筆者作成

ただし、三菱重工業、川崎重工業とも個社の悪材料が出てきたわけではなかったため、この下げは一時的なものにとどまり、3月後半以降は緩やかに回復していったのでしょう。