厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、2022年時点における男性の平均寿命は「81.05年」、女性の平均寿命は「87.09年」でした。2000年時点では、男性「75.92年」、女性「81.90年」でしたので、約20年間で平均寿命が5歳ほど延びていることになります。
「人生100年時代」という言葉どおり、長生きの老後が待っているようです。
いま現役世代のわたしたちと同じ時代を生きるシニア世代の方たちは、貯蓄をどれくらい保有し、公的年金をどれくらい受け取っているのでしょうか。
老後資金の準備に向けて、シニア世代のお金事情から年金暮らしを覗いてみましょう。
1. 70歳代以上「貯蓄3000万円超」の世帯は約27%
70歳代以上世帯の現在貯蓄高を見ていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は「2411万円」です。
1.1 70歳代以上「貯蓄現在高」分布
70歳代以上世帯「187万4554世帯」の貯蓄事情を、貯蓄現在高ごとの世帯数で確認していきます。
70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
- 100万円未満:14万896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
世帯数では「4000万円超」が17.86%と最も多く、次いで「3000万円超」が9.46%となっています。
「貯蓄現在高3000万円」以上でくくると、全体の約27%を占めるという結果に。
年金額や毎月の生活費によっても見方は異なりますが、70歳代以上で3000万円超の貯蓄があれば「安泰」といった言葉が思い浮かんでしまいますね。
しかし、貯蓄現在高100万円未満の世帯は14万896世帯と7.94%もいるようです。「老後」を迎えたときから現状維持なのか、取り崩してきた結果100万円を切っているのかまでは読み取れませんが、こちらは「不安」という言葉が思い浮かんでしまいます。