火災保険の「水災」で補償を受けられる
ゲリラ豪雨や集中豪雨で被害を受けた場合、火災保険で補償してもらうことはできるのでしょうか。
実は、火災保険に「水災」補償が含まれていれば補償を受けられる可能性があります。
火災保険は、一般的に火災により建物や家財が被害を受けたときだけでなく、落雷や風災、雪災、そして水災に対する補償も含まれていることが多いです。
ただし、商品によっては基本補償に水災に対する補償が含まれていないものもあります。
すでに火災保険に加入している方は、水災も補償対象となっているか改めて確認しておくと良いでしょう。
これから火災保険に加入する方は、基本補償内容をしっかりと確認し、もし含まれていない場合はオプションで水災補償を付帯できるか合わせて確認することをおすすめします。
水災補償を受けるには条件がある
一般的に、火災保険の「水災」補償は、ゲリラ豪雨や集中豪雨などにより発生した土砂崩れや洪水などで、下記のような損害が出た場合に保険金が支払われます。
<保険金の支払い条件>
- 建物・家財の保険価格の30％以上の損害を受けた
- 床上浸水によって損害を受けた
- 地盤面より45cmを超える浸水によって損害を受けた
なお、これらの支払い条件は保険会社により異なるため、加入中（または加入を検討中）の火災保険の約款などで確認してください。
火災保険で補償されるケースと補償されないケース
ゲリラ豪雨や集中豪雨で生じた損害でも、火災保険の水災で補償されるケースと補償されないケースがあります。それぞれの具体例を確認していきましょう。
補償されるケース
ゲリラ豪雨や集中豪雨により受けた損害のうち、火災保険の水災補償で補償対象となる主なケースは以下の通りです。
- ゲリラ豪雨などにより土石流が発生し、家屋が流された
- 河川が氾濫し、床上浸水が発生して床や畳の張替えが必要になった
- 裏山の崖が崩れて、家屋が埋没・倒壊した
- 床上浸水が発生し電気配線に不具合が生じたり電化製品が故障したりした
- 家具家財が水浸しで使えなくなった など
主にこのような被害が発生した場合に補償対象となります。
補償対象外のケース
ゲリラ豪雨や集中豪雨による被害であっても、以下のように補償対象外となるケースがあります。
- 地震が原因で発生した津波や土砂崩れにより建物や家財が損害を受けた（「地震保険」で補償を受けられます）
- 洪水が発生して車が水没した（「自動車保険」で補償を受けられます）
- 老朽化が原因で雨漏りが発生した
3つ目の雨漏りについて、ゲリラ豪雨などが原因で屋根や窓ガラスが破損したことにより発生したものについては火災保険で補償されますが、老朽化や元からあったすき間などから発生したものについては補償対象外となります。
また、火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分かれており、両方に加入していれば建物と家財どちらの補償も受けられます。
ただし、たとえば建物のみに加入している場合は、家財の被害については対象外になるため注意が必要です。
