外貨預金とは円をドルなどの外貨に換えて預金することです。
外貨預金には為替差益を期待できるなどのメリットがある一方、いくつかの特徴に当てはまる方にはおすすめできないと言えるでしょう。
本記事では外貨預金をおすすめしない人の特徴を解説します。
この記事を読んでわかること
外貨預金とは
外貨預金とは円を外貨に換えて預金することです。
為替手数料を支払う必要はあるものの、高金利の利息や為替差益といった各種利益が期待できます。
外貨預金のメリット
外貨預金には以下のメリットがあります。
- 為替差益が期待できる
- 高金利の利息が得られる
それぞれくわしく解説します。
1. 為替差益が期待できる
為替差益は為替レートの変動により生じる利益のことです。
円をドルに換えたのちに円安になれば、為替レート変動分が利益となります。
たとえば、1ドル=100円の時に100万円を1万米ドルに換えたとしましょう。
その後、1ドル=150円に為替レートが変動した際に、ドルを円に戻せば150万円となります。
50万円の利益が生まれました。これが為替差益です。
2. 高金利の利息が得られる
外貨預金は円預金よりも高い金利が期待できます。
実際に大和証券の円預金と外貨預金の金利を比較してみましょう(2023年8月21日時点)。
<普通預金>
円 |
0.005% |
米ドル(USD) |
0.50% |
ユーロ(EUR) |
0.20% |
英ポンド |
0.60% |
カナダドル |
1% |
トルコリラ |
3% |
<定期預金(1年)>
円 |
0.05% |
米ドル(USD) |
5.30% |
ユーロ(EUR) |
2.50% |
英ポンド |
3.40% |
カナダドル |
3.70% |
トルコリラ |
11.00% |
※大和証券「円預金」
※大和証券「外貨預金金利一覧」
このように保有する外貨によっては高い利息の受け取りが期待できます。
外貨預金をおすすめしない人の特徴
外貨預金にはメリットがある一方、いくつかの特徴に当てはまる方にはおすすめできません。
ここでは外貨預金に向かない人の特徴として、以下の3つを紹介します。
- 為替相場から積極的に利益を得たい人
- 外貨を長期で保有する予定のない人
- 損をしたくない人
1. 為替相場から積極的に利益を得たい人
外貨預金は円を外貨に換えて預金する金融商品であるため、基本的には円安を予想した時にしか利益を狙えません。
その点、後述のFXであれば外貨を購入することはもちろん、売却からスタートすることもできるので、円高と円安の両局面で利益を狙えます。
2. 外貨を長期で保有する予定のない人
外貨預金は長期で保有しない限りは恩恵の少ない金融商品です。
外貨預金のメリットは円預金に比べて高い利息を受けられることにあります。
一方で高い為替手数料を支払わなければなりません。
たとえば、三菱UFJ銀行で南アフリカの通貨であるランドを100万通貨預金したとしましょう。
2023年8月22日時点の1南アフリカランドは7.75円なので、約775万円相当を南アフリカランドに換えた計算です。
南アフリカランドの普通預金金利は年0.5%なので(2023年8月22日時点)、たしかに円で保有するよりは高い利息を得られるでしょう。
しかし、一方で25万円分の為替手数料が発生します(2023年8月23日確認時点)。
為替手数料は外貨から円に戻す際にも発生するため、1往復なら50万円です(円→ランド→円)。
このように外貨預金は高い金利が期待できる一方で、高い為替手数料が発生することから、長期で保有しなければ損をする可能性が高い金融商品なのです。
※三菱UFJ銀行「外貨預金金利・作成解約時に適用する外国為替相場」
※三菱UFJ銀行「為替手数料」
3. 損をしたくない人
円預金と違い、外貨預金には為替リスクがあります。
たとえば、1ドル=200円の時に1万円を50ドルに換えたとします。
その後円高によって1ドル=100円になったとしましょう。
この時に50ドルを円に戻すと5000円となります。
為替レートの変動によって5000円の損失が発生しています。
このような損失を回避したい方には外貨預金はおすすめできません。
外貨を保有するならFXがおすすめ
ここまで外貨預金をおすすめしない人の特徴を紹介してきました。
一方で円安が進むいま、外貨を保有することの重要度は増しつつあると言えるでしょう。
もしも外貨を保有するのであれば外貨預金よりもFXがおすすめです。
FXとは
FXは円とドルなど2つの通貨をペアとして取引する金融商品です。
金融庁では以下のように定義されています。
外国為替証拠金取引は、証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融商品です。外国為替を英語で“Foreign Exchange”と表すことに由来して、外国為替証拠金取引は、通称、「FX」などと言われます。
出所:金融庁「外国為替証拠金取引について」
たとえば、円とドルであれば以下の取引ができます。
- (円を売って)ドルを買う
- (円を買って)ドルを売る
このように外貨を購入するだけでなく、売りからスタートすることもできるので、FXでは円安と円高の両局面で利益を狙えます。
また外貨預金に利子があるように、FXにはスワップポイントがあります。
スワップポイントとは取引する通貨ペアの金利差から生じる損益です。
金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を購入すればスワップポイントを受け取ることができます(逆の場合はスワップポイントの支払いが発生)。
たとえば、トレイダーズ証券の「みんなのFX」でトルコリラを10万通貨購入すれば、毎日200円のスワップポイントを受け取ることができます(トルコリラ/円の場合)※2023年8月3日時点。
FXのメリット
FXには外貨預金にはないさまざまなメリットがあります。
ここではFXのメリットとして以下の3つを紹介します。
- 取引コストが安い
- レバレッジを活かした取引ができる
- 資産が保全される
取引コストが安い
FXは取引コストが外貨預金と比べて安い傾向にあります。
たとえば、三菱UFJ銀行の外貨預金とみんなのFXでは、1万通貨あたりの取引手数料が以下のように異なります。
三菱UFJ銀行(インターネットバンキング) |
みんなのFX |
|
1万米ドルの取引コスト |
2500円 |
20円 |
1万英ポンドの取引コスト |
5000円 |
90円 |
※出所:三菱UFJ銀行「為替手数料」
※出所:みんなのFX公式サイト
これはあくまで片道の金額です。円から外貨への交換(FXなら外貨の購入)の時のみならず、外貨から円への交換(FXなら外貨の売却)の際にも同じ分の手数料が発生します。
このようにFXと外貨預金では、1往復の取引でもコストが大きく違ってきます(円→外貨→円)。
頻繁に取引して為替差益を狙うような場合はとくにFXの利用がおすすめです。
レバレッジを活かした取引ができる
FXではレバレッジを効かせた取引ができます。
レバレッジとは少額の資金で大きな金額を取引できるしくみのことです。
FXでは口座残高(証拠金)に対して最大25倍の金額を取引できます。
たとえば、1ドル=100円の時に4万円分の米ドルを購入したとしましょう。
この場合、1円の円安によって得られる利益は400円にしかなりません。
しかし、レバレッジを利用して100万円分の米ドルを購入すれば、同じ1円分の円安でも1万円の利益となるのです。
なお、外貨預金ではレバレッジを効かせた取引はできません。
資産が保全される
FX会社が破綻した場合でも、FX口座内の残高や損益といった顧客の資産は保全されます。
一方で外貨預金では金融機関破綻時の保証がありません。
FXをするなら「みんなのFX」がおすすめ
FXをこれから始める方には「みんなのFX」がおすすめです。
「みんなのFX」は「MINKABU(みんかぶ)」の2023年版FX証券年間ランキングで人気1位となったFXサービス。
業界最狭水準のスプレッドのほか、高スワップも両立していることが特徴となっています。
最低取引単位は初心者にも安心な1000通貨からで、練習用のデモ口座も用意されています。
なお、みんなのFXはトレイダーズ証券が運営しています。同社は東証に上場するトレイダーズホールディングスの子会社なので、安心して取引を始められるでしょう。
参考資料
まとめ
- 外貨預金には為替差益を狙えるなどのメリットがある
- 一方で①為替相場から積極的に利益を得たい人②外貨を長期で保有する予定のない人③損をしたくない人にはおすすめしない
- 外貨を保有するなら外貨預金よりもFXがおすすめ
MeChoice編集部