2023年7月31日に帝国データバンクが発表した「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査 ―2023年8月」によると、8月はパック牛乳やヨーグルトなどの乳製品、ジュース、駄菓子、だし製品など計1102品目が値上げとなりました。

聞き飽きた値上げニュースですが、7カ月ぶりに前年から減少となり値上げラッシュはやや落ち着いたようです。

しかし、賃金の上昇が伴わないインフレで、苦しい世帯は増えていると考えられます。そんな中でも、やがて訪れる老後に向けて「自助努力」は必須。目の前の生活と並行して老後に目を向けていかなければいけません。

今回は、70歳代の世帯に注目して貯蓄額や家計収支から年金生活を覗いていきます。

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20歳代~50歳代の現役世代「老後の生活が心配」は約85%

20歳代~50歳代の現役世代の人たちは、慌ただしい毎日の中、目先の生活で手一杯かもしれません。

しかし、少子高齢化が深刻な日本において、現役世代が高齢者を支える賦課方式となる公的年金制度に不安を覚え、コツコツ未来の自分のために資産形成を進めたいと考えている方は多いようです。

金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、世帯主の年齢が20歳代~50歳代の世帯のうち、老後の生活について「心配である」と答えた世帯は84.5%ということが分かりました。

【図表1】

■老後の生活についての考え方

  • 20歳代:心配である75.4%(多少心配:35.1%・非常に心配40.4%)
  • 30歳代:心配である85.3%(多少心配:40.4%・非常に心配44.9%)
  • 40歳代:心配である86.9%(多少心配:38.9%・非常に心配48.0%)
  • 50歳代:心配である83.0%(多少心配:36.9%・非常に心配46.1%)

【図表1】のとおり、老後の生活について「心配である」と答えた世帯は、20歳代~50歳代の全ての年代で約8割を占めています。

年代が上がるごとに心配だと感じる世帯が増えていきますが、最多は40歳代で、50歳代になるとやや「それほど心配していない」世帯が増えるようです。

50歳代になると、老後生活に向けてのベースが整う世帯も増えてくるのでしょう。

20歳代は社会人になったばかり。仕事を覚えて少しずつ自身のライフイベントに目を向けていく、そんな世代かと思いますが、すでに老後生活に不安を抱える方が約75%もいますね。

20歳代から老後に向けて資産をコツコツ積み上げていければ、準備万端でセカンドライフを迎えられそうですね。

では、すでに年金暮らしがスタートしている世帯の貯蓄事情はどのようになっているのか。今回は退職金も受取済みであると考えられる70歳代に注目して見ていきます。