円を外貨に換えて預金することを外貨預金と言います。
円預金と違い、外貨預金にはさまざまなメリットがあります。
本記事では円預金と比較した場合の外貨預金のメリットを紹介します。
また、外貨を保有する手段として外貨預金よりもFXがおすすめである理由や、おすすめのFXサービスも紹介します。
この記事を読んでわかること
- 外貨預金とは
- 外貨預金のメリット
- 外貨預金よりもFXがおすすめの理由
外貨預金とは
外貨預金とは円を外貨に交換して預ける預金のことです。
「外貨定期預金」のほか、「外貨普通預金」もあり、それぞれで金利が異なります。
なお外貨定期預金は預け入れた時の金利が変わらない固定金利です。
一方で外貨普通預金は変動金利が適用されます。
外貨預金の3つのメリット!円預金となにが違う?
外貨預金は円預金と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは外貨預金の主なメリットとして、以下の3つを紹介します。
- 金利が高い
- 円安になると為替差益がでる
- リスク分散につながる
1. 金利が高い
外貨預金は日本円の預金と比べて高い金利が期待できます。
大和証券の円預金と外貨預金の金利を比較してみましょう(2023/08/21時点)。
<普通預金>
円 | 0.005% |
米ドル(USD) | 0.50% |
ユーロ(EUR) | 0.20% |
英ポンド | 0.60% |
カナダドル | 1% |
トルコリラ | 3% |
<定期預金(1年)>
円 | 0.05% |
米ドル(USD) | 5.30% |
ユーロ(EUR) | 2.50% |
英ポンド | 3.40% |
カナダドル | 3.70% |
トルコリラ | 11.00% |
このように保有する外貨によっては高い利息の受け取りが期待できます。
2. 円安になると為替差益がでる
外貨預金は円安になると為替差益が期待できます。
為替差益とは為替レートの変動によって生まれる利益です。
たとえば、1ドル=100円の時に1万円を100ドルに換えたとします。
その後、1ドル=110円になったタイミングで100ドルを円に戻すと1万1000円になります。
これが為替差益です。
3. リスク分散につながる
外貨を保有することはリスクの分散にもつながります。
というのも、円やドルといった通貨の価値は常に変動します。
円安は円の価値が下がることであり、その逆は円高です。
1ドル=100円が1ドル=200円になったとしましょう(円安)。
この結果、これまで100円で1ドルの商品を買えていたのが、200円必要になります。
つまり、円のみしか保有していない場合には、為替レートの変動によって大きな損失を被る可能性があるということです。
米ドルやユーロなどの外貨を持つことで、円の暴落に備えられる点は外貨預金のメリットと言えます。
【外貨預金vsFX】外貨を買うならどっちがいい?
ここまで外貨預金の概要やメリットを見てきました。
ところで外貨を購入する手段は外貨預金だけではありません。
むしろ結論から言えば、外貨預金をするならFXで外貨を売買するほうをおすすめします。
そこで次からはFXの概要やFXと外貨預金の違いを解説していきます。
FXとは
FXは日本円でさまざまな外貨の取引ができる金融商品です。
金融庁では以下のように定義されています。
外国為替証拠金取引は、証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融商品です。外国為替を英語で“Foreign Exchange”と表すことに由来して、外国為替証拠金取引は、通称、「FX」などと言われます。
出所:金融庁「外国為替証拠金取引について」
FXでは円と米ドルなど2つの通貨をペアとして取引します。
たとえば、円と米ドルのペアであれば以下の取引が可能です。
- (円を売って)米ドルを買う
- (円を買って)米ドルを売る
米ドルを購入することはもちろん、その逆である売りから入ることもできるため、円安と円高の両面で利益を狙えます。
FXには取引、ポジション保有、ポジションの手仕舞い(決済)の3つのフェーズが存在します。
取引後にポジション保有フェーズに入り、為替レートの動きを見ながら利益を確定したいタイミングで決済を行います。
なお、取引は米ドルと円以外にも、米ドル/ユーロなど外貨同士でも行えます。
決済で発生した利益の受け取りや損失の支払いは、円換算してFX口座内の残高で処理されるので、外貨を事前に用意する必要もありません。
【主要項目で比較】外貨預金とFXの違い
FXの概要を知ったところで、改めて外貨預金とFXの違いについて見ていきましょう。
ここでは以下の項目でFXと外貨預金を比較していきます。
- 手数料
- 狙える為替差益
- 為替差益以外の利益
- レバレッジの有無
- 税率
<比較ポイント1>手数料
外貨預金とFXでは手数料が異なります。
外貨預金では為替手数料、FXではスプレッドが実質的なコストです。
為替手数料は円から外貨、外貨から円に換える時に発生する手数料です。
スプレッドは通貨を購入する際と、ポジションの手仕舞いの際にそれぞれかかります。
一般的には外貨預金の為替手数料よりも、FXのスプレッドの方が安い傾向にあります。
実際に1万米ドルあたりの取引コストで比較してみましょう(いずれも2023/8/21時点の公式サイト情報に基づく内容です)。
三菱UFJ銀行(インターネットバンキング) | みんなのFX | |
1万米ドルの取引コスト | 2500円 | 20円 |
1万英ポンドの取引コスト | 5000円 | 90円 |
※外貨預金は三菱UFJ銀行の為替手数料、FXは「みんなのFX」のスプレッドを参考にしています。
※出所:三菱UFJ銀行「為替手数料」
※出所:みんなFX公式サイト
<比較ポイント2>狙える為替差益
外貨預金とFXでは狙える為替差益にも違いがあります。
外貨預金は「円」から「外貨」に換えるという選択肢しかないため円安を予想したタイミングでしか利益が狙えません。
一方、FXは外貨を購入するだけでなく、売りから入ることもできます。
たとえば、円を買って米ドルを売る取引をすれば、その後の円高で為替差益が獲得できます。
円安のみならず円高を予想したタイミングでも利益を狙える点はFXの強みと言えるでしょう。
※なお、決済後の利益の獲得と損失の支払いはFX口座の残高(円)で行われるので、事前に外貨を用意する必要はありません。
<比較ポイント3>為替差益以外の利益
外貨預金とFXはともに為替差益以外の利益を狙えます。
外貨預金は保有している外貨に応じた利息の支払いを受けられます。
受け取りのタイミングは満期時や解約時、半年毎などさまざまです。
FXも取引する通貨ペアの金利差に応じたスワップポイントが獲得できます。
スワップポイントとは通貨ペアの金利差から生じる損益のことです。
(売る通貨に対して)より金利の高い通貨を買った場合はスワップポイントを受け取れます(逆の場合はスワップポイントの支払いが発生)。
たとえば、円を売ってトルコリラを買えばスワップポイントの受け取りが可能です(「みんなのFX」を利用した場合※2023年7月15日時点)。
スワップポイントは毎日発生します。また、毎日の入金も可能です(金融機関による)。
スワップポイントはどれくらいの利益になる?
具体的にスワップポイントはどれくらいもらえるのでしょうか?
いくつかの通貨を例に見てみましょう。
通貨ペア | 10万通貨あたり |
トルコリラ/円 | 200円 |
メキシコペソ/円 | 251円 |
南アフリカランド | 171円 |
※「みんなのFX」の場合※2023年8月3日時点
<比較ポイント4>レバレッジの有無
FXはFX口座の残高(証拠金)を元手に最大25倍の金額を取引できます。
このしくみをレバレッジといいます。
たとえば、4万円の証拠金で100万円分の円を売って米ドルを購入したとします。
仮に1ドル=100円であれば、1万米ドルを購入したことになるので、1ドル=101円に変動しただけでも1万円分の利益となるのです。
※ただし、1ドル=99円の円高になれば1万円分の損となるので、レバレッジは諸刃の剣ではあります。
外貨預金にはこのレバレッジのしくみがありません。
<比較ポイント5>税率
FXと外貨預金は以下の通り利益に対する税率が異なります。
総合課税には給与所得なども含まれます。高年収の方などがFXに取り組む際は税率も参考にすると良いでしょう。
FX | 外貨預金 | |
為替差益 | 20.315%(申告分離課税) | 最大55.945%の税率(雑所得として総合課税) |
利子(スワップポイント) | 20.315%(申告分離課税) | 20.315%(源泉分離課税) |
総合課税の対象となるのは、次の所得です。
(1) 利子所得(源泉分離課税とされるものおよび平成28年1月1日以後に支払を受けるべき特定公社債等の利子等を除く。)
(2) 配当所得(源泉分離課税とされるもの、確定申告をしないことを選択したものおよび、平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当について、申告分離課税を選択したものを除く。)
(3) 不動産所得
(4) 事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く。)
(5) 給与所得
(6) 譲渡所得(土地・建物等および株式等の譲渡による譲渡所得を除く。)
(7) 一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)
(8) 雑所得(株式等の譲渡による雑所得、源泉分離課税とされるものを除く。)
(注) 上記(4)、(6)および(8)に係る所得の計算において、一定の先物取引による事業所得、譲渡所得および雑所得については、他の所得と区分して申告分離課税の方法により所得税が課されます。
出所:国税庁「No.2220 総合課税制度」
FXなら「みんなのFX」がおすすめ
FXをこれから始める方には「みんなのFX」がおすすめです。
「みんなのFX」は「MINKABU(みんかぶ)」の2023年版FX証券年間ランキングで人気1位となったFXサービスであり、業界最狭水準のスプレッドのほか、高スワップも両立していることが特徴となっています。
最低取引単位は初心者にも安心な1000通貨からで、練習用のデモ口座も用意されています。
なお、みんなのFXはトレイダーズ証券が運営しています。同社は東証に上場するトレイダーズホールディングスの子会社なので、安心して取引を始められるでしょう。
参考資料
- 金融庁「外国為替証拠金取引について」
- 三菱UFJ銀行「為替手数料」
- みんなFX公式サイト
- 大和ネクスト銀行「外貨預金 金利一覧」
- 国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
- 国税庁「No.2230 源泉分離課税制度」
- 国税庁「No.2240 申告分離課税制度」
- 国税庁「No.2220 総合課税制度」
- 全国銀行協会「外貨預金の特徴を知る」
まとめ
- 円預金と比較した場合、外貨預金には為替差益を狙えることや高金利といったメリットがある
- 外貨を保有するのであれば外貨預金よりもFXがおすすめ
- おすすめのFXサービスは「みんなのFX」
MeChoice編集部