現役時代から貯蓄を増やすための老後対策3選
60歳代・70歳代以上の貯蓄を確認しましたが、今貯蓄が少ない人は老後対策の必要性が高いです。今から検討したい老後対策3選を紹介します。
■必要な老後資金を把握する
まずは、老後に必要な資金を把握しましょう。世帯によって年金受給額や生活費はさまざまです。年金がいくらもらえて、いくら生活費がかかるのかをシミュレーションしてみてください。
同じ生活費でも年金が月15万円の世帯と25万円の世帯では、老後に必要な貯蓄額はまったく異なります。必要な老後資金を知って、具体的にどれくらいお金を用意すべきかを把握してください。
■NISAやiDeCoを利用して老後資金を運用する
必要な老後資金を把握できたら、老後資金を用意するために資産運用を始めましょう。NISAやiDeCoを使って資産運用をすれば、より効率的な運用が可能です。
投資で得た利益には通常税金がかかりますが、NISAやiDeCoは税金がかかりません。特に、2024年から始まる新NISAは非課税期間が無期限となり長期投資に使いやすい制度です。
新NISAを使って、毎月3万円を年利3%で運用した場合の30年後の資産は1748万2107円になります。
投資した元本部分1080万円(毎月3万円×12ヶ月×30年間)に対して、約668万円の資産が増えています。
投資はリスクがあり、運用成果も後にならなければわかりません。一方で積立投資は長期間運用することで複利の効果を得ることも可能です。
2024年から始まる新NISAを活用して老後資金の運用を検討するといいでしょう。
■年金の繰下げ受給を利用する
貯蓄や投資が難しい人は、年金の繰下げ受給も検討しましょう。年金の繰下げ受給とは、年金の受給開始時期を遅らせることで、年間にもらえる年金額を増やす方法です。
75歳まで受給開始を遅らせた場合、65歳から年金を受給するのと比べて年間にもらえる金額が+84%増額します。
65歳以降も働き続けることで年金の受給開始時期を遅らせて、受給額を増やすことも検討しましょう。ただ本当に得かは個人差があるので慎重に検討しましょう。
貯蓄は個人差が大きい。早くから老後対策を
60歳以上で貯蓄が4000万円以上ある世帯は意外と多いです。ただし、貯蓄が500万円以下の世帯も多数あり、世帯による貯蓄額の差は大きくなっています。
老後に経済的に豊かな生活を送るためには、若いころからの準備が重要です。できるだけ早く、貯蓄や資産運用による老後対策を検討してみてください。
参考資料
苛原 寛