2.「60代で働く人」の雇用形態は?

つづいて、60代で働く人の雇用形態がどのようになっているのかを確認します。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.19960代の雇用・生活調査」

2.1 60代の雇用形態

  • 正社員 21.4%
  • パート・アルバイト40.7%
  • 嘱託 15.2%
  • 契約社員 14.4%

全体でみるとパート・アルバイトの比率が高いことが分かります。しかし、男女間では雇用形態に違いがみられます。

2.2 男性

  • 正社員 29.3%
  • パート・アルバイト 22.4%

2.3 女性

  • 正社員 11.0%
  • パート・アルバイト 64.9%

このように、男性では正社員の割合が高いですが、女性ではパート・アルバイトが多くなっています。

男性の正社員割合で見ると、2014年と比べて60~64歳層では31.7%→37.1%と高くなっています。このように、60歳で完全にリタイアする時代ではなくなってきているようです。

3. 厚生年金と国民年金の平均受給月額はいくらか

一般的に年金を受け取るのは65歳からです。

60代の方が受け取る公的年金の平均受給月額がいくらくらいなのかを男女別で確認します。

3.1 厚生年金

男性

  • 60~64歳 7万4100円
  • 65~69歳 12万8200円

女性

  • 60~64歳 3万7200円
  • 65~69歳 7万5300円

※この平均額は、特別支給の老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金を含みます。

3.2 国民年金

男性

  • 60~64歳 6万2200円
  • 65~69歳 6万4400円

女性

  • 60~64歳 4万9400円
  • 65~69歳 5万9500円

※この平均額は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金を含みます。

厚生年金には国民年金も含まれているため、厚生年金の受給月額が多くなっています。国民年金に関しては原則65歳から支給となるため、60~64歳と65~69歳では支給額に差が出ます。

このように見ると60~64歳では収入が少ないため、60~64歳の就業率が高くなっている要因と言えるでしょう。

さらに男女差ですが、国民年金と厚生年金どちらも男性に比べて女性の受給額が少ないため、男女差にも注意が必要でしょう。

どちらにしても、現職中と比べると少ないと感じる方が多いと思います。年金だけで生活するのも難しそうです。