公的年金の積立金を運用するGPIFは、2022年度の運用実績が2兆9500億円余りの黒字になったと発表しました。

収益率がプラスになっていますが、個人レベルでの年金や貯蓄の平均額はどのように推移しているのでしょうか。

今回は、65歳以上の年金と貯蓄額の推移と、老後の生活に向けた有効な対策を解説します。

1. 65歳以上の平均的な年金額はいくら?

厚生労働省が2022年12月に発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年の厚生年金額は平均で14万3965円でした(基礎年金を含む)。

厚生年金の平均受給額は、年度によって増減を繰り返しながら推移しています。

受給額が20万円に満たない状況では、生活資金として不足する可能性が高いでしょう。

老後の生活水準にもよりますが、一定の資産を貯蓄しておく必要があるといえます。

では、貯蓄額の平均はどういった推移をたどっているのでしょうか。次章で確認してみましょう。

2. 65歳以上の平均的な貯蓄額はいくら?

総務省が2023年5月12日に公表した「家計調査」によると、2022年における65歳以上の貯蓄額は平均で2359万円でした。

2021年と比較すると0.7%増加しており、2019年から増え続けています。

リスクのある資産運用に比べ、元本欠損リスクの少ない定期性預貯金の割合が高い傾向にあります。

老後生活では収入源も少なくなるため、安定した預貯金に資産を預けていると考えられます。

65歳以上の貯蓄額は、2200万円~2300万円を推移しているようです。

では、こうした資産を準備するうえで重要なポイントを確認しましょう。

3. 有効な老後対策とは?

老後の生活を豊かにするために考えておくポイントは、次の3つです。

  • ライフプランで将来の収支を把握
  • 資産運用で金融資産を増やしておく
  • 年金の繰下げ

それぞれのポイントを確認していきましょう。

3.1 有効な老後対策1:ライフプランで将来の収支を把握

ライフプランは将来の収入と支出を可視化する効果があり、先々の生活に向けた対策や改善の必要がないかを確認できます。

ライフプランを通して分かる主な内容は、以下の3つです。

  • 支出面を改善する必要性
  • 目標の資産額に到達するための積立金額
  • 金融資産を取り崩すタイミング

ライフプランを作成すると、収入に対する支出が適正な状態かを可視化できます。

仮に現状の支出が収入より上回っている場合は、何らかの改善が必要になるでしょう。

また、目標にしたい資金を貯めるために、毎月いくら積立をするか確認できます。

貯めた資金をいつから取り崩していくべきかも確認できるため、今後のアクションプランが立てやすいです。

3.2 有効な老後対策2:資産運用で金融資産を増やしておく

毎月の積立金額が分かれば、どのような手段で資産運用をするか、検討していきましょう。

代表的な方法に、NISAやiDeCoを使った資産運用があります。

それぞれの特徴を把握しながら、運用先や割合を決めて準備しましょう。

3.3 有効な老後対策3:年金の繰下げ

年金を受給するタイミングに差し掛かったら、年金の繰下げ受給も検討すると良いでしょう。

繰下げ受給をすれば、年金の受給額を増やせます。

1ヵ月繰下げるごとに、年金受給額は0.7%増加するので、1年後に年金を先延ばしにすると8.4%増加します。

手元に資金の余裕があるうちは年金をあえて受給せずに、受給額を増やしてみることも検討しましょう。

4. 年金だけで生活するのは現実的ではない。早くから資金の準備を

生活水準によっては年金だけでも生活できる可能性もありますが、さまざまな場面で、支出の制限が生じる可能性が高いです。

そのため、年金だけで生活をやり繰りするのは現実的ではありません。

そのためにも、早くから将来の生活設計をたてて、老後の生活に活用するための資産を準備しましょう。

参考資料