8月15日は2023年度の年金額の2回目が受け取れる年金支給日です。

エアコン代、熱中症対策グッズ、飲食費、旅行やレジャー…と出費が増えるこの時期。年金の支給を楽しみにしている方も多いでしょう。

一方で、「人生100年時代」とも言われる中で、長い老後生活に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

公的年金については、「月20万円くらいはもらいたい」と考える方もいるかもしれませんね。

では、今のシニア世代は年金はどれくらいもらえるのでしょうか?

本記事では、厚生年金をひとりで月20万円以上もらう人の割合を解説します。月20万円以上の年金を受け取るために必要な現役時代の年収も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 厚生年金「ひとりで月20万円以上」のシニアの割合は何パーセントか

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者がもらう年金額の分布は以下のとおりです。

 

1.1 厚生年金受給者の年金月額の割合

年金受給額 人数(割合)

  • 月額5万円未満 38万8575人(2.4%)
  • 月額5万円以上10万円未満 336万1204人(20.8%)
  • 月額10万円以上15万円未満 497万6556人(30.8%)
  • 月額15万円以上20万円未満 495万2516人(30.6%)
  • 月額20万円以上25万円未満 223万4558人(13.8%)
  • 月額25万円以上30万円未満 25万2220人(1.6%)
  • 月額30万円以上 1万4816人(0.1%)

平均年金月額 14万3965円

※厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げによ り、定額部分のない、報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
※国民年金部分を含む

月20万円以上の年金をもらう人の割合は15.5%です。厚生年金受給者のうち約6.5人に1人が、月20万円以上の年金をもらっています。

また、もっとも受給割合が多いのは月10万円以上15万円未満となっていて、その割合は30.8%です。平均受給額も月14万3965円のため、月20万円以上は高水準といえるでしょう。

2. 厚生年金「月20万円以上」もらうために平均年収はいくら必要か

厚生年金は、会社員や公務員時代の平均年収・勤務期間によってもらえる年金額が決まります。では、月20万円以上の年金をもらうにはいくらの年収が必要なのでしょうか。

以下の条件でシミュレーションしてみましょう。

  • 1975年生まれ
  • 20歳~64歳まで会社員として勤務
  • 65歳から年金受給開始

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

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出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに筆者作成

2.1 厚生年金月額20~25万円ごとに必要な年収

年金受給額 必要な平均年収の目安

  • 月20万円  650万円
  • 月21万円  710万円
  • 月22万円 770万円
  • 月23万円 820万円
  • 月24万円 860万円
  • 月25万円 910万円

月20万円の年金をもらうには、平均年収650万円が必要です。また、月25万円以上の年金をもらうために必要な現役時代の平均年収は、910万円となっています。

日本の平均年収は443万円のため、月20万円以上の年金をもらうハードルは高いです。

3. 繰下げ受給で年金月額20万円の年金を受け取ることも

月20万円以上の年金をもらうには高水準の収入が必要であることを確認しましたが、実は年収がそこまで高くない人でも月20万円以上の年金を受け取る方法があります。

それは、「年金の繰下げ受給」の活用です。年金の繰下げ受給とは、年金の受取開始年齢を通常の65歳よりも遅らせることで年間の受給額を増やす方法です。

年金の繰下げ受給を利用して、月20万円の年金を受け取るために必要な年収をシミュレーションしてみましょう。シミュレーションの条件は、以下のとおりです。

  • 1975年生まれ
  • 20歳~64歳まで会社員として勤務

受給開始年齢ごとのシミュレーション結果は以下のとおりとなります。

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出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに筆者作成

3.1 【年齢別】繰下げ受給で月20万円の年金をもらうために必要な年収

受給開始年齢 必要な平均年収の目安

  • 66歳 560万円
  • 67歳 500万円
  • 68歳 440万円
  • 69歳 390万円
  • 70歳 360万円

70歳まで年金の受取開始時期を遅らせれば、現役時代の平均年収が360万円でも月20万円の年金を受給可能です。平均年収360万円であれば、達成可能な人もいるでしょう。

ただし、年金の繰下げ受給は受給開始時期を遅らせるほどトータルの受給期間が短くなります。

繰下げ受給開始後にすぐ死亡した場合、繰下げ受給をしない方が合計で受け取れる年金額は多いでしょう。一方で、繰下げ受給後も長く生きる場合は、繰下げ受給を選択した方がトータルで得をする可能性が高いです。

繰下げ受給は、得をする場合もあれば損をする場合もあることを覚えておいてください。

4. 年金月額はひとそれぞれ。まずは試算を

年金受給額は現役時代の働き方や勤務期間によって、大きく異なります。また、受給額によって必要な老後対策も変わってくるでしょう。

そのため、まずは自分の年金額を知ることから始めてみてください。「ねんきんネット」を使えば、簡単に将来もらえる年金額をシミュレーションできます。

年金額をシミュレーションして、老後対策を始めるきっかけとしてみてください。

参考資料