相続トラブルへの発展に注意

先ほど紹介した預貯金の払い戻し制度は大変便利な制度ですが、遺族間で相続トラブルとならないように配慮することが大切です。

最高裁判所の統計によると、2021年に遺産相続に関して全国の家庭裁判所が取り扱った調停件数は1万3447件となっており、決して珍しいトラブルではありません。

遺産分割の前に預金を払い戻すときは、「どれくらいの金額を引き出すのか」、「引き出したお金は何に使うのか」といったことを必ず相続人全員で確認してください。

亡くなったあとの支払いについて家族間で話し合っておこう

親が亡くなったときは銀行だけでなく、保険会社や年金事務所、役所などさまざまな場所での手続きが発生します。

そのバタバタとしたときに「口座が凍結されてお金が引き出せない」となると、さらに手続きが増えてしまうことも考えられます。

葬儀代や病院への支払いなどで困ることのないよう、亡くなったあとの支払いについては事前に家族間でしっかりと話し合っておきましょう。

参考資料

椿 慧理