地中海の太陽がイタリアの大地を照らす時期に突入、夏も本番です。海外旅行をする楽しみは、そんな景色を車窓から眺めることにもあります。

風景が美しいイタリアは、鉄道での移動もおすすめ。交通渋滞が社会問題になってますが、鉄道ならばストレスなく移動できるのも長所のひとつです。

ローマやミラノなどを結ぶ鉄道として知られているのは「フレッチャロッサ」と「イタロ」。イタリアを鉄道で旅する場合は一体どちらを選ぶべきなのか、各列車の特徴とともに解説します。

安心感で選ぶならフレッチャロッサ

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日本のJRのような存在「Trenitalia(トレーニタリア)」が運航する高速列車で、「赤い矢」という意味を持つのが「Frecciarossa(フレッチャロッサ)」。

イタリア半島の大都市を結ぶ高速鉄道としては、イタリア人に最も親しい存在です。最高時速は300kmで、景色を楽しむにはちょうどよい速度です。

日本の便利で清潔な鉄道に慣れた日本人には、設備等がイマイチという感覚があるかもしれません。椅子の座り心地や速さなど、日本の新幹線と比べるとローカル感があるともいえます。

しかし本数が多いのがメリットで、なんらかの理由でキャンセルや遅れがあっても、別の列車への変更も比較的スムーズ。運賃は季節やクラスによって変動しますが、ライバルのイタロと比較すると安いことが多いのも嬉しいですね。

時代に即した鉄道を選ぶならイタロ

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「Italo(イタロ)」が運航開始したのは2012年4月のこと。デビューして10年ちょっとという新しさが魅力です。

イタロを運営しているのは、フェラーリやトッズのオーナーが共同で設立した会社NTV。そのためデザイン性に優れ、フェラーリの鉄道版という別名もあります。

イタロの車両はデザインが素敵というだけではなく、再生材料を使って作られているという特徴があります。サステナビリティも意識した旅をしたいのならば、イタロを選ぶ価値はあるといえます。

しかしイタロはフレッチャロッサの線路を借りて走っているため、列車の本数が少ないという点も。チケット変更をしたい場合は、選択が限られてしまう可能性もあります。

運賃は季節やクラスによって変動。時速300kmというところも、フレッチャロッサと同じです。ちょっとお高めというイメージですが、安いチケットを購入することもできます。