今年も蝉が鳴き出す時期になってきて、より夏を感じるようになってきましたね。夏の風物詩である花火大会なども各地で復活してきており、楽しみも多くなってきました。

その分出費も増えるのがつらいところ。しかも今年は電気料金の値上げもあり、エアコン代など節約したいと考える方も多く、収支のバランスを考えるのも一苦労。

働く世代はもちろんながら、年金で生計を立てている世代の方にとって出費が増えることや公共料金が値上がりすることは、簡単に見過ごせる問題ではないでしょう。

現在、65歳以上の単身シニア世帯の月の生活費は15万5495円(家計調査)となっており、一般的な老後の一人暮らしには「15万円程度は必要」と考えた場合、年金などの収入でカバーできる方はどの程度いるのでしょうか?

今回は、今のシニア世代の年金事情を「男性」に絞ってお伝えしていきます。

1. 日本の公的年金制度【国民年金・厚生年金】について

日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2種類で構成されており、いわゆる「2階建て」構造になっています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

この年金制度の仕組み上、「国民年金」か「厚生年金」のどちらを受給できるかで老後に受け取る年金額は大きく変わってきます。そのため、まずはご自身がどちらに当てはまるのか確認しておきましょう。

1.1 国民年金(基礎年金)

「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。自営業や専業主婦(主夫)の方は、40年間(480カ月)国民年金保険料を納めることで、将来、満額の国民年金を受け取ることができます。

2023年度の67歳以下新規裁定者の国民年金は満額79万5000円(年額)。ひと月あたり6万6250円となっております。

1.2 厚生年金

それに対して2階建て部分の「厚生年金」は会社員や公務員の方が加入対象となります。厚生年金は、現役時代の年収によって将来受け取る年金額が変わるため、個人の受給額にはばらつきがあります。

まずは最新データから、厚生年金の受給額事情をみていきましょう。