3. 【65歳以上の単身・無職世帯】の毎月の生活費はどれくらいか
ここでは「一般的な65歳以上の単身無職世帯の生活費」の詳細を、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」をもとに見ていきましょう。
「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の月の支出は「15万5495円」となっております。
一方で、公的年金などの実収入は13万4915円であり、ひと月2万580円赤字となります。
ここで一つ考えていただきたいのが、住居費と介護の費用です。
この内訳で考えると、住居費が約1万3840円となっており、持ち家が前提になっている事がわかります。また、介護の費用は含まれておらず、早期に介護が必要となった場合はその分を上乗せして考えないといけないので注意が必要です。
4. 自分の年金受給額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で把握しよう
ここまでは、年金の受給額やシニア世代の生活費について見てきました。
年金受給額に関しては、厚生年金と国民年金のどちらを受け取ることができるかで受給額は大きく変わりますし、厚生年金を受給できる方は、国民年金だけを受け取れる自営業やフリーランスよりも手厚い金額となる傾向となってはいますが、自分の年金見込み額はできるだけ早めに把握しておくことが将来の準備に役立ってくるでしょう。
では、どうすれば自身の年金見込み額を把握できるのか。まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用してみてはいかがでしょうか。
「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に自身の年金記録を記載したものが郵送で届くサービスです。
また「ねんきんネット」なら、24時間いつでもインターネット上でご自身の年金について手軽に確認することができるサービスです。
これらを活用してまずはご自身の年金見込み額を把握してみてはいかがでしょうか。
5. 男性の厚生年金まとめ
「一般的な65歳以上の単身無職世帯の生活費」をもとに、同程度の年金を受け取ることができる方がどれくらいいるのかを見てきました。
男性に絞って考えると、「月15万円」以上の年金を受け取ることができる割合は全体の64.2%となっておりました。
しかし、「一般的な65歳以上の単身無職世帯の生活費」が月15万円という試算は持ち家が前提になっており、介護の費用も考慮していないことを考えると、ゆとりある老後生活を過ごすのは難しいかもしれません。年金以外の資産を今のうちから準備しておく必要がありそうですね。
ではその準備をどうやって行うのか。預貯金をコツコツ貯めることはもちろんのことながら、資産運用でお金を増やす仕組みづくりをするのもいいかもしれません。
資産運用は預貯金と異なり、元本保証があるわけではありません。情報収集を行い、ご自身に合った金融商品を選んでいきましょう。
国の税制優遇制度である「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」などの活用を検討するのも一案です。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 日本年金機構 「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和5年度送付分)」
奥田 楓也