子供の独立や退職金の受け取り、親からの相続などによって手持ち資金に余裕ができると、住宅ローンの繰り上げ返済に充てようとする方が多いと思います。

「繰り上げ返済」には有益なメリットがありますが、デメリットも存在することはあまり知られていないようなので、返済後に後悔してしまう方も少なくありません。

国土交通省の最新データによると、注文住宅(新築)取得世帯が住宅ローン有する世帯の割合は83.2%と高くなっています。

そこでこの記事では、繰り上げ返済のメリットを紹介すると共に、そのデメリットや最適なタイミングについて紹介します。

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【住宅ローン】繰り上げ返済のメリットとは?

国土交通省が2023年5月に公表した「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、全国の注文住宅(新築)取得世帯が住宅ローン(住宅金融支援機構提携ローン(フラット35)、民間金融機関、住宅金融支援機構からの直接融資、その他公的機関や勤務先からの借入金など)を有する割合は83.2%になっていて、ほとんどの人が住宅ローンを利用していることがわかります。

出所:国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

その中の多くの方が、30年以上の長期にわたってローンを抱えていることでしょう。

繰り上げ返済(一部繰り上げ返済)とは、「元金の全部または一部を当初の予定より前倒しで返済すること」をいいます。

すなわち毎月の返済額のほかに、住宅ローン残高の全部または一部をまとめて返済することです。

住宅ローンは元金の残高に対して金利がかかりますが、繰り上げ返済はすべて元金のみに充てられるので、その分の支払い利息がなくなり総支払額を減らすことができるのが、最大のメリットといえます。

また元金の残高を減らしておくことにより、将来的に金利が上昇した場合に受ける影響が軽減されるのもメリットになります。