学生の免除要件が拡大した経緯
2023年6月21日に、総務省はNHKの受信料と受信料免除にかかわる規約の変更を認可したと発表しました。
この認可によって、2023年10月から学生を対象にした受信料の免除要件が拡大される見通しです。
さらに、2020年10月以来3年ぶりに受信料が引き下げられます。
今回の変更に至った背景は、新型コロナウイルス感染症や物価高騰が原因です。こうした情勢により、幅広い世帯の経済状況が厳しくなっていると指摘されていました。
特に親元から離れて暮らす学生は、アルバイトによる収入や仕送りが減少しているため、経済的に厳しい状況が続いていると考えられています。
そのため、NHKは受信料の引き下げと学生の受診料を免除する方向で調整を行いました。
直近では、2023年1月18日に「受信料の割増金」について規約を変更しています。
正当な理由なく放送受信契約書を提出しないときに、受信料の2倍の金額を割増金として請求します。
では、学生の免除要件がどのように変更となったのか、拡充された内容を確認してみましょう。
学生の免除要件は2023年10月からどう変わる?
学生を対象とした受信料の免除要件について、現行制度では親元から離れて暮らしている学生で、以下に当てはまる場合に対象となります。
- 経済的理由の選考基準がある奨学金を受給している場合
- 経済的理由の選考基準がある授業料免除制度の適用を受けている場合
- 親元などが市町村民税(特別区民税を含む)非課税の場合
- 親元などが公的扶助受給世帯の場合
上記に加えて、2023年10月から以下の項目を要件に追加します。
- 健康保険等の被扶養者となっている学生
- 年収130万円以下の学生
- 年金の納付免除を利用している学生
- 国民健康保険の修学特例対象の学生
今回の拡充により、高額所得の学生を除けば、ほぼすべての学生が免除となる見通しです。