株式市場の振り返り-日経平均株価は29年8カ月ぶりとなる怒涛の13連騰
2017年10月19日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,448円(+85円、+0.4%) 13日続伸
- TOPIX 1,730.0(+5.4、+0.3%) 9日続伸
- 東証マザーズ総合指数 1,087.1(+6.0、+0.6%) 5日ぶり反発
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:813、値下がり銘柄数:1,096、変わらず:122
- 値上がり業種数:22、値下がり業種数:11
- 年初来高値更新銘柄数:100、年初来安値更新銘柄数:3
東証1部の出来高は15億2,038万株、売買代金は2兆4,106億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。株式市場では、明らかに買い疲れ感が出ていましたが、NY市場が23,000ドルを超えて一段高になったことを受けた買い意欲が続いたようです。ただ、値下がり銘柄数が大幅増加になるなど、利益確定売りによる売買も増加したようでした。
そのような中、日経平均株価はついに歴代2位タイとなる13日続伸となりました。NY市場の最高値更新を背景に、寄り付きから上値を切り上げ、前引けは+140円高(年初来高値を更新)となって21,500円台を付けています。
しかし、その後は上値が重くなり、後場の序盤には一時+18円高まで上げ幅を縮小する場面が見られましたが、大引けでは13連騰を達成して引けました。
なお、TOPIXも同じような値動きとなり、取引時間中に年初来高値を更新しました。
20日は歴代トップの14連騰に挑むが、最後のハードルはやや高くなりそう
さて、日経平均株価がバブル経済期の中盤に記録した13連騰に並び、29年8カ月ぶりに歴代2位タイとなりました。ちなみに、連騰の歴代記録は以下のようになっています。
- 第1位:14日(1960年12月21日~1961年1月11日)
- 第2位:13日(1988年2月10日~2月27日、2017年10月2日~10月19日)
- 第3位:12日(2015年5月15日~6月1日、他2回)
20日(金)も上昇となれば、歴代トップタイに並びます。歴代1位の14連騰は今から約57年前、まだ本格的な高度経済成長期に入る前の記録です。
57年ぶりの偉業達成への期待は高まりますが、19日のNY市場は軟調な値動きになりそうなこと、為替相場が小幅な円高に転じ始めているなど追い風が少なくなり、大記録達成は微妙な雰囲気です。また、週末特有のポジション整理も影響するかもしれません。
いずれにせよ、大きな注目を集めることになるでしょう。
東証マザーズ総合指数は5日ぶり反発、売買代金は6日連続の1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は4,195万株、売買代金は675億円となり、いずれも前日より減少しました。投資家の注目が大型株市場に向かっており、売買代金は1,000億円どころか、700億円をも割り込む閑散状態となりました。
ただ、総合指数はかろうじて上昇し、5日ぶりの反発となりました。今後は注目度が低下する中で、再び個人投資家の資金流入が起きるかが焦点となります。
信越化学工業が3日連続で大幅高、J.フロント リティリングなど百貨店株が売られる
個別銘柄では信越化学工業(4063)が3日続けて大幅高となり、大幅続伸となった東京エレクトロン(8035)とともに年初来高値を更新しました。
また、キヤノン(7751)、武田薬品工業(4502)、デンソー(6902)、住友不動産(8830)など大型株が幅広く買われて高値更新となっています。
一方、ファナック(6954)が高値更新後に売られて安く引け、トヨタ自動車(7203)やマツダ(7261)もわずかに値を下げて終わりました。また、J.フロント リティリング(3086)や三越伊勢丹ホールディングス(3099)が大幅安となるなど、小売株の一角が冴えない値動きとなっています。
新興市場では、ウォンテッドリー(3991)が値を飛ばしてストップ高となり、串カツ田中(3547)も大幅高となりました。しかし、全体的に見れば、目立った値動きは少なかったようです。
青山 諭志