日経平均は世界経済回復や北朝鮮リスクの後退で続伸。売買代金も高水準

2017年10月13日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より200円46銭高の21,155円18銭となりました。9日続伸です。

年初来高値を更新し、2万1000円台を回復しました。終値が21,155円よりも高かったのは、約21年前の1996年11月27日(21,345円)で、それ以来の高値ということになります。

今週11日には、2015年6月に付けていた「アベノミクス相場」の高値を更新していましたが、13日にはさらに上抜けました。

背景には、世界景気が回復基調であることが挙げられます。米国ではダウ工業株30種平均など主要3指標がそろって高値を更新しています。欧州や新興国の株価指数も軒並み上昇しています。

日本株はもともと、企業の業績が好調であるにもかかわらず、北朝鮮リスクや円高傾向などが嫌気され、出遅れ感がありました。ただし、10日の朝鮮労働党の創建記念日には目立った行動がなかったことから、警戒感が一服、投資家がリスクを取る動きになりました。

国内の政治動向も相場を後押ししています。22日投開票の衆院選では当初、希望の党が勝利しアベノミクスや日銀の緩和路線が変わるという懸念もありましたが、終盤にさしかかり、新聞各紙で与党の自民・公明両党が優勢と伝わる報道が相次いだことから、これを好感した海外勢が買いに回りました。

来週以降の展開はどうなるでしょうか。注目すべきは相場が活況になりつつあることです。13日の東証1部の売買代金は、10月物の特別清算指数(SQ)算出に伴う売買はあったものの、3兆2810億円と5か月ぶりの高水準でした。

米国株は13日も、ダウが反発し、ナスダック総合株価指数は過去最高値を更新しています。

海外勢は衆院選では与党の勝利を織り込み済みで、すでに10月下旬から本格化する企業の決算発表に期待しているようです。通期予想の上方修正をする企業も出てきそうです。割安な個別銘柄の物色をしたいところです。

5日移動平均線にサポートされ、力強く上昇

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週末は小さな陰線が続いたことから、今週はそのあたりで上値を押さえられるのか、あるいは一段上に抜けていくのかといったところでした。

ふたを開けてみると3連休明けの10日から長い陽線で上昇しました。12日には、目先の節目となる21,000円の直前で足踏みをするような動きもありましたが、13日には長い陽線で一気に21,000円を抜けました。5日移動平均線に下値をサポートされる形で力強く上昇しています。

短期的には過熱感があるが、押し目買いを狙いたい

今後の動きはどうなるでしょうか。9連騰し高値圏にあることから、利益確定売りなどの調整の動きも出てきそうです。騰落レシオやRSIなどのオシレーター系の指標も「買われすぎ」の過熱感を示しています。ただし、強い上昇トレンドの局面では、指標が一方に張り付いたまま価格が上がっていくことがよくあります。

判断のポイントとしては、目先の節目となるとともに5日移動平均線とも重なる21,000円を来週キープできるかどうか。また、直近で若干のもみ合いを見せた20,600円、さらに20,500円あたりも節になります。ただし、このあたりを割り込んだとしても、25日移動平均線のある20,400円ぐらいまでは、押し目買いの好機になりそうです。

1996年11月27日(21,345円)を更新したことで、上値めどは、同年6月26日の高値(22,750円)となります。両者が接近していることに加えて、ここを抜けると目立った節が少なく、視界がかなり広がっていることから、先高期待が大きくなります。

下原 一晃