2023年4月12日に実施された「新しい資本主義実現会議」において、退職所得課税の見直しが検討されました。

退職金は、老後の生活資金の貴重な財源です。

「老後2000万円問題」がクローズアップされましたが、どこに何年勤めれば2000万円を超える退職金が受け取れるのでしょうか。

今回は、公務員や国会議員が受け取る退職金を会社員と比較して解説します。

1. 公務員の退職金はいくら?

公務員の退職金は、国家公務員と地方公務員にわけて、勤続年数ごとに確認していきましょう。

公務員の退職金は、以下の計算式で算出します。

・退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合+調整額

それぞれ退職金がいくらになるか、確認していきましょう。

1.1 国家公務員のケース

国家公務員の退職金は、常勤職員で2106万4000円でした。

出所:内閣府e-Stat「国家公務員退職手当実態調査(2021年度)」を元に筆者作成

常勤職員の場合、退職金が2000万円以上になるタイミングは、勤続年数が35年を超えてからです。

一方で「行政職俸給表(一)適用者」は、勤続年数30年以上で退職金が2000万円を超えています。

以上から、国家公務員は30年ほど勤務していると、定年による退職金が2000万円以上となる見込みです。それでは、地方公務員のケースを確認してみましょう。

1.2 地方公務員のケース

地方公務員のケースは、次の3パターンにわけて退職金を見ていきましょう。

  • 一般職員
  • 教育公務員
  • 警察官

それぞれの退職金は、下表の通りです。

出所:総務省「2021年 地方公務員給与の実態」を元に筆者作成

勤続年数が25年以上だと、1人当たりの平均退職金が2000万円を超えました。

国家公務員と同様で、勤続年数が長くなるほど退職金も増える推移になります。

では、公務員扱いとなる国会議員の退職金は、いくらなのでしょうか。

比較して確認してみましょう。

3. 国会議員の退職金はいくら?

国会議員は、退職金について国会法で明記されていますが、退職金を受け取る制度はありません。

一般的に、国会議員は選挙によって選ばれます。

そのため「定年まで働き続ける」といった概念がありません。

国会法第36条では、退職金を受け取れると明記されているため、今後は退職金制度を設ける可能性もあります。