共働き・片働き別のiDeCoの活用術
老後資金のことは後回しになる傾向がありますが、教育資金や住宅資金とは別に夫婦の老後資金はしっかりと考えていかなければいけません。老後資金準備には、iDeCoの利用がおすすめです。
夫婦共働きの場合には、所得控除の効果をしっかりと得るために、夫婦それぞれがiDeCoを活用するといいでしょう。夫婦それぞれの積立金額は、他にかかる「教育資金」や「住宅資金」とのバランスをとって決めましょう。
片働きの場合は、所得税や住民税を納めている家計の大黒柱がiDeCoを活用することで、所得控除の効果で節税しながら、老後資金を効率よく作っていくことができます。
40歳代シングルのNISA・iDeCo活用術
子どものいない独身ならば、教育資金を考える必要がありません。NISAとiDeCoをどのように活用すると良いでしょうか。
老後を見据えて資金を準備
「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」はどちらも大きな税制優遇のある制度です。
まずつみたてNISAですが、現在のNISA制度にある投資期間最長20年という期限が2024年の新制度から撤廃されます。現制度では45歳から始めた場合、65歳までの20年間しかつみたてNISAを利用することができませんでしたが、新NISAでは、20年という期間にとどまらず、30年、40年と投資運用を続けていくことができます。
人生100年といわれる現代の65歳は若々しく、まだまだ現役の働き手だといえます。
日本は将来的に人口が減っていくなかで、労働人口が不足することが予見されています。今後においては、慢性的な労働力不足を埋めるためにも、65歳以降でも働く人が増えていくでしょう。
定年後の65歳以降も働き続けることで収入が見込めるのであれば、長期で投資ができます。投資は長期であればそれだけ、資産を大きくすることが可能になりますので、新NISAの活用は効果的だといえます。
iDeCoは会社員などの厚生年金加入者は65歳まで加入することができます。現在45歳とすると65歳までの20年間、所得税、住民税の所得控除の恩恵をうけながら、節税できます。この月々の掛け金が所得控除できる点は、NISAにはないiDeCoならではの特徴です。
まとめにかえて
新NISAは、税制優遇に対して20年という期限がなくなったことから、今まで以上に資産を大きくしやすくなりました。また60歳まで引き出せないなど、制約がないため、目的を自由に設定することができます。
iDeCoは老後資金を作ることを目的にした制度で、所得控除の恩恵を受けることができます。
特徴の異なる新NISAとiDeCoを使い分けることも検討してみると良いでしょう。豊かな老後の生活のために、できることをはじめ、準備しましょう。
参考資料
- 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2022年12月31日現在)について」
- 金融庁「新しいNISA」
- iDeCo公式サイト
- 文部科学省「令和3年 子供の学習費調査」
- 日本学生支援機構「令和2年 学生生活調査」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
高橋 禎美