3. ねんきん定期便の記載内容とは?
年に1回、誕生月に届くのが「ねんきん定期便」です。
年金加入状況や老後の年金見込額が記載されている通知書ですが、年齢によって記載事項が変わることがポイントです。
3.1 50歳以上の人に送られる「ねんきん定期便」
50歳以上の方には、「現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した見込額」が記載されています。
より詳細なシミュレーションにはなっていますが、あくまでも働き方や年収が変わらないことが前提となっている点に注意しましょう。
3.2 50歳未満の人に送られる「ねんきん定期便」
50歳未満の人に送られる「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。
これから納める保険料は含まれていないため、少なく感じてしまうでしょう。
また、いずれのねんきん定期便も「額面」の記載になるため、ここから天引きされるお金があることを知らずにいると、年金振込通知書が届いたときに困惑してしまう原因となります。
4. 厚生年金と国民年金の額面は平均いくら?
では、その「額面」は厚生年金と国民年金でいくらなのでしょうか。
2023年度の年金(6月15日支給分から)は、3年ぶりの増額改定とされています。
老齢基礎年金の場合、67歳以下の新規裁定者で6万6250円(月額)、68歳以上の既裁定者でも1234円引き上げで6万6050円となりました。
ただし実際の受給額は個人差があるので、2021年度末時点での支給実績を確認しましょう。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。
4.1 厚生年金の平均月額
全体:14万3965円
- 男子:16万3380円
- 女子:10万4686円
※国民年金の月額を含む
4.2 国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
額面でも個人差が大きいことがわかります。さらに天引きされる税金や社会保険料も、所得や扶養人数などで異なるでしょう。
実際の手取り額は人によって大きく違うことが予想されます。
5. 年金振込通知書とねんきん定期便の違い(まとめ)
6月7日には年金振込通知書が送付されましたが、きちんと確認できているでしょうか。
現役世代の方の中にも、毎年届くねんきん定期便をあまり見ていないという方がいます。
将来の年金は、老後を支える柱となるものなので、しっかり確認するようにしましょう。
万が一記載漏れや誤りがあれば、将来の年金額に響きます。年金見込額だけでなく、加入実績もしっかりチェックしましょう。
年金からは天引きされるお金があることを知った上で、老後資金の準備も必要です。
将来に向け、資産運用や保険などもうまく取り入れつつ、長期で資産を育てていきたいですね。
参考資料
- 日本年金機構「年金額改定通知書と年金振込通知書(一体となったもの)」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「【 主な行事・通知書発送の年間予定表 】」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「ねんきん定期便」
太田 彩子