2.【50・60・70歳代】「二人以上世帯の負債額」平均と中央値

つぎに、世代ごとの「借入金の有無」と「借入金残高」等の負債についても見ていきます。

以下で記載する「借入金残高」は、借入金有無の回答があった世帯に関する平均と中央値です。また、カッコ内の割合は「借入金がある」と回答した世帯が全体に占める割合を指します。

2.1【50・60・70歳代】「二人以上世帯の借入金残高」

  • 50歳代(25.7%) 平均1150万円:中央値900万円
  • 60歳代(16.3%) 平均895万円:中央値500万円
  • 70歳代(10.1%) 平均979万円:中央値400万円

次では、借入金額の回答があった世帯について、住宅ローン残高も確認します。

2.2【50・60・70歳代】「住宅ローン残高」平均と中央値

  • 50歳代 平均995万円:中央値800万円
  • 60歳代 平均766万円:中央値225万円
  • 70歳代 平均463万円:中央値100万円

いずれの世代も、住宅ローンが借入金の大部分を占めていると考えられます。

50歳代といえば、年収のピークを迎えるサラリーマンも多い一方で、住居費や教育費などで出費がかさみ、収支のバランスに頭を抱える世帯も多いでしょう。

60歳代を過ぎると、借入金残高、住宅ローン残高ともに中央値は大きく減っています。サラリーマンであれば退職金を受け取ってローンを返済したり、コツコツ貯蓄の成果をようやく実感できる世帯が増える時期かもしれませんね。

3.「老後資金」いつから、どう準備する?

今回は還暦60歳代前後の貯蓄と負債について確認しました。

特に住宅ローンや教育費などの出費がかさむ時期は思うように貯蓄ができない世帯が多いと考えられます。

また、年収が上がっても生活レベルが上がれば、意識して貯金をしない限りお金はふえないばかりか、今般の物価上昇で将来的に目減りしてしまうでしょう。

老後は誰にでもやってくるライフステージです。「先取り貯金」を考えながら、セカンドライフの準備を上手に始めていきましょう。

参考資料

田中 友梨