6月15日は年金支給日でした。3年ぶりの厚生年金と国民年金の増額となり、嬉しく思いつつも、物価高への不安は続いている方が多いのではないでしょうか。梅雨があけて夏になれば、旅行や身内との集まりなど出費も増えがちです。
70歳代になると多くの方は仕事を辞め、年金をもらって生活しています。では、70歳代は年金以外にどれくらい貯蓄があるのでしょうか。また、年金だけでの生活は可能なのでしょうか。
本記事では、70歳代の貯蓄額と年金受給額・生活費の相場を解説します。老後の生活に向けて参考としてみてください。
1. 70歳代の貯蓄はいくらか。平均と中央値を見る
さっそく、70歳代がどれくらい貯蓄をしているのか確認しましょう。
まずは、二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」によると、70歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
1.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額
- 非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%
- 無回答 :2.7%
平均値:1905万円
中央値:800万円
70歳代二人以上世帯の貯蓄額は、平均値が1905万円・中央値が800万円です。平均値と中央値には大きな差があるため、一部のお金持ちが平均値を引き上げていることがわかります。
また、貯蓄がまったくない二人以上世帯の割合は18.7%です。約5世帯に1世帯は貯蓄がないため、年金だけで生活するか働きながら生活する必要があります。
次に、70歳代単身世帯の貯蓄額を確認しましょう。金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」によると、70歳代単身世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
1.2 70歳代「ひとり世帯」の貯蓄額
- 非保有:28.3%
- 100万円未満:5.2%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:4.6%
- 400~500万円未満:3.0%
- 500~700万円未満:8.8%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:5.6%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:16.1%
- 無回答:1.2%
平均値:1433万円
中央値:485万円
70歳代単身世帯の貯蓄額は、平均値が1433万円・中央値が485万円です。二人以上世帯と比べて貯蓄額は少なくなっています。
また、貯蓄がまったくない世帯の割合も28.3%と高いです。
一方で、単身世帯で貯蓄が3000万円以上ある世帯も16.1%います。単身世帯においても、人による貯蓄額の差は大きいです。
2. 70歳代の年金受給額はいくらか【厚生年金・国民年金別】
貯蓄がない人や少ない人は、基本的に年金を頼りに生活することになります。では、70歳代はどれくらい年金をもらっているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代がもらう平均年金額は以下のとおりです。
2.1 70歳代の厚生年金の受給額
- 70歳:14万1026円
- 71歳:14万3259円
- 72歳:14万6259円
- 73歳:14万5733円
- 74歳:14万5304円
- 75歳:14万5127円
- 76歳:14万7225円
- 77歳:14万7881円
- 78歳:14万9623円
- 79歳:15万1874円
※国民年金部分を含む