5月は「母の日」、6月は「父の日」と、普段離れていてもふと両親のことを想う月が続きますね。
公的年金をすでに受け取っている親世代であれば、もしかしたら「年金が少ない」と聞いている方もいるかもしれません。
年金が少なければ、子ども世代が援助する可能性もでてきます。そこで今回は、年金が少ない場合や年金がない場合の理由や背景について見ていきたいと思います。
1. 【老齢年金】みんなの厚生年金や国民年金は月額いくら?
現役世代の方たちで、現状の年金支給額がどれくらいかを把握している方は少ないのではないでしょうか。
そこで、まずはいまのシニア世代が受け取る公的年金の額を月額を、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに確認していきましょう。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)の「平均額とボリュームゾーン」
- 〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
1万円未満:7万27人
1万円以上~2万円未満:28万4152人
2万円以上~3万円未満:90万3006人
3万円以上~4万円未満:274万9550人
4万円以上~5万円未満:463万6048人
5万円以上~6万円未満:791万730人
6万円以上~7万円未満:1500万3006人
7万円以上~:187万2466人
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)の「平均額とボリュームゾーン」
- 〈全体〉平均年金月額:14万3965円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
国民年金も厚生年金も、平均額に満たない方がいることがわかります。
特に厚生年金の場合は、現役時代の年収や加入期間によって個人が生じやすいという特徴があります。しかし、極端に少ない場合は別の要因が潜む可能性も考えられます。つぎでくわしく見ていきましょう。
2. 「低年金・無年金」になる理由2つ
現役時代の年収の低さの他に、老齢年金の支給額が少ない要因は2つ考えられます。
2.1 受給資格期間が足りない
受給資格期間が足りない場合、年金の受給資格が得られないため無年金となります。
具体的には「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」の合計が10年必要です(合算対象期間を含めることが可能)。かつては25年必要とされていましたが、現在は緩和された形です。
その他の期間で年金保険料を支払っていても、10年に満たなければまさに「払い損」ということになります。もし未納の期間があるという方は、早急に確認するようにしましょう。
2.2 年金の不整合記録問題
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっています。1階部分にあたる国民年金の加入者は第1号~第3号被保険者に分類されます。
このうち第3号被保険者とは、第2号被保険者(公務員や会社員など)に扶養される配偶者のことを指し、個人で年金保険料を負担する必要はありません。
しかし、自身が働くようになって扶養を抜けた場合や、配偶者が第2号被保険者でなくなった場合などには第1号被保険者となり、保険料負担が発生します。このときの手続きが漏れてしまうことを、「3号不整合記録問題」といいます。
救済措置もあるので、気づいた際にはすぐに年金事務所に相談することが大切です。これまでの年金の加入記録については、ねんきんネットやねんきん定期便などで確認することができます。心当たりがある方は一度見てみましょう。
3. 「親の年金が少ない」場合はどうすれば
年金収入が極端に少ない場合、国の給付を受けられる可能性があります。
- 年金生活者支援給付金(2023年度の基準額は5140円)
- 生活困窮者自立支援制度
- 生活保護
この他にもさまざまな福祉制度があります。
自治体独自の支援がある可能性もあるので、まずは自治体の窓口に相談してみるといいでしょう。
4. 老後の準備は早めにする
老後の生活に不安を抱える方の多くは何かしらの老後対策を始めていることかと思います。初心者でも始めやすいと言われている、iDeCoやつみたてNISAなどを活用している方もいるかもしれません。
しかし、やみくもにスタートするのではなく、目的を明確にして始めることが大切です。まずは公的年金の受給資格や見込額を一度確認することをおすすめします。
見込額などを把握できれば、それに向けてどのくらいの資金を準備すればよいのか、またどのような老後資金準備の方法が自分に合っているかもみえてきます。
これを機に、一度ご自身のマネープランについてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。



